ねた帳 | ナノ




ヒーロースーツは確かに着ている

OKヒーロー話し合おうジャマイカ。
「パワードスーツとか死亡フラグ乱立じゃない?赤也」
「いや、俺に言われても困るんスけど」
出動まであと一時間くらい、私は赤也と柔軟をしながら準備していた。
「むしろあのジェイクってやつと話してた方が死亡フラグ乱立じゃないっスか」
「ははは、まあね!」
「……てか、刹先輩。何で他のヒーロー達から一歩引いたとこで自己紹介したんスか」
「あー…何かピリピリしてたからさ、こう……茶化したくなっちゃうんだよね。だから自重する為に微妙に離れてみたんだ」
私ってすぐそうやって茶化してごまかしたりするからね、まあKYです基本的に。
てか実はバニーちゃんジェイクと戦い始めてるしね!
あ、私と赤也は他のヒーロー達とは違う控室にいるよ、赤也顔出しNGだし。
「……よし、そろそろ向こうの控室行こうぜ!赤也、変身よろー」
「へいへいっと」
青い光に包まれて、赤也は狼へと姿を変えた。
「おはようございます」
「がふ、」
控室に入ると三人はバニーちゃんの戦いを見てて既にバニーちゃんがジェイク無双(私命名)でボロボロになってる。
……うーん、正直言うと教えたげても良かったんだけどね能力のこと。
でも私が教えてもポッと出の新人が何を言うんだみたいな感じになるだろうし。
てか信じないよね、うん……。
おっと思考がズレてるうちにブルーローズたんがタイガーに啖呵切ってるし。
うん、かっこいいね!
「それに…ニューヒーローもいるから、こっちのこと心配しなくっても平気なんだからね!」
え、此処で私らのこと口にするの……!?
てか一応アニエスさんに言っとこう、今テレビに私が映っても誰だコイツ状態にしかならないって。
『は、ニューヒーローって………』
「……初めまして」
こちらに向けられちゃったよ電話画面、そんな訳で神の子ボイスで挨拶してみた。
てか、よく考えたらタイガーとは会ってるんだよね…刹って名乗った上で。
「ローミング、って言います。こっちは相棒のイービル」
「ワン」
ペこりと頭を下げるイービルに画面の向こうで動揺が走った。
「…ブルーローズさん、そろそろ出動じゃないかな」
「そうね…。タイガー、アンタはちゃんとバーナビーのこと助けなさいよ!良いわね!」
ブツッと回線を切ったブルーローズたんに倣い全員で出動の準備をする。
『ローミング、アンタはテレビに映らなくて良いわ。今回は、ね』
「ふふっ、分かったよアニエスさん」
『……性格が随分と違うのね?』
「ミステリアスなヒーロー、って言ったのはアニエスさんじゃないかな?」
軽口を叩きながら私はイービルに跨がった。
「さて、イービル。急ごうか」
「がう!」
走り出したイービルの背に掴まり、どうやってパワードスーツを破壊するか考えた。










「どうするよこれ」
ズラリと並んだパワードスーツに冷や汗が流れるローミングさんだよ!
最近の若い子って過激だよね!
「一応武器は沢山?あるけど…」
テレビに映ってないのを良いことに素で喋っちゃってます。
「あー…とりまあの三人が手を出さなければ動かないよね、多分」
コソコソと建物の影から覗きながら言うとイービルが呆れた様子で私を見てた。
……くっ、そんな目で私を見るな!
確かクリームたんの声は…。
「あーあー…よっしゃOK。私の可愛いマッドベア達、もう破壊しなくて良いわ?被害の及ばない海の上で自爆して、今すぐにですわ」
拡声器を持って来てて良かった…そうだよね、折紙サイクロンの話だと指示はクリームたんの無線からってことはクリームたんの声に反応して動くってことだもんね。
動くようになるときは能力発動しなきゃだけど別に指示出すときまで能力発動せにゃいかんとかじゃないかんね!
作戦勝ちやったね!
「他三人も心配だけどとりあえず私が指示出したマッドベア達が自爆するか確かめに行こうか、イービル」
よじよじとイービルの背に跨がりながら言うと一声吠え、パワードスーツ達が向かった方へと走り出した。
「うっわぁ…自分で指示したこととはいえ、何かグサリと来るものがある」
「それ、ローミング先輩の自業自得っスよ」
「え、何で能力解除?」
「だって意思疎通出来ないじゃないっスか」
「うんそうだよ」
「ローミング先輩の意地悪っ」
頬を膨らましツン、とそっぽを向くイービル可愛いな畜生。
「イービル…ご褒美に好きな人の声で褒めたげるけど」
「……柳先輩の声でお願いするっス」
「おけおけ、把握」
一番懐いてるのかイービル。
まあ、私に対してあんな鬼畜な柳君だけど赤也に対しては飴と鞭で飴の比率が8くらいっぽいからなあ…。
「よく頑張ったな、初日から。お疲れ様」
「すっげえマジで柳先輩!」
「興奮してるのは分かるけどとりあえず落ち着け。今ジェイク倒されそうだから」
何故柳君なんだ…!
ぶっちゃけ鬼畜過ぎて私苦手なんだけどな。
「しかし残念だよね、ジェイクってばあんなに趣味が合うなんて思わなかったというかなんというか」
「……それ、ヒーローとしてどうなんスかね?」
「さあ…?少なくとも今は見習いだし、良いと思われ」

ジェイク編終了。
あっさりなお二方。
次はちょっとだけ空白の十ヶ月。

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