text (しつもん!) | ナノ


( 2 )ニーソとタイツとハイソのどれが好きですか!

 むうん、これは非常に悩ましいです。でもね、わたしはここでかの有名な女性詩人さんの言葉を敢えて引用したいと思います。
 そう、みんな違ってみんないいんです。




 ニーソを思い切り引っ張っても太ももはちっとも覆えませんが、覆えるタイツはニーソのように、絶対領域は作れません。
 タイツのデニールがどんなに薄かろうと、ハイソのような危うげな少女性には敵いませんが、スクールライクなハイソはタイツのように女性らしい透け感を出せません。
 ハイソでどう色や模様を凝ってもニーソのあざといかわいさには及ばないけれど、ニーソはニーソであるがゆえに合わせる服の丈が限られ、ハイソの汎用性には及ばない。

 ニーソとタイツと、それからハイソ。
 みんなちがって、みんないい。

 ――舞園さやか(職業:国民的アイドル)




 ……というのは冗談半分ですけど、ほんと、ケースバイケースだと思うんですよね。そのひとに似合うフットウェアはそれぞれですし、もっと言うとそのとき着てるお洋服の雰囲気とかにも拠ってきます。
 ただ、個人的な好みを語るのであれば、それぞれ「これはこういうひとに履いてほしい!」というのはもちろんありますよ。あっ、ちょっとお話してもいいんですか? じゃあお時間もらっちゃいます!

 まずはニーソです。
 わたしが思うニーソのよさの一つに「食い込み」があります。ほどよいお肉がゴムの上にのっかる感じ、脚のやわらかさを視覚から感じさせてくれる趣はやっぱりニーソならではなんじゃないかと思います。ですからニーソを穿いてもらうのであれば、やっぱり適度な肉付きと女の子らしいやわらかさに溢れたひとにお願いしたいですよね。あ、肌色はどうあっても気にしないです。朝日奈さんや終里先輩みたいな褐色の肌の活発な女性には却って黒でなくパステルや柄物の可愛らしい意匠のものを合わせてもらいたいですね、アニマル柄もまた一興です。

続いてタイツ。これは本当に幅広いアイテムで、厚めの黒いものなら欠片の露出も許さないって保守的な感じがうかがえるのが素敵ですし、透け感あるセクシーなものはそれ一足だけでいつもの制服姿だってちょっとイメージ変わっちゃいます。余談ですけどセーラー服に黒タイツ、足元ローファーって女の子の背徳感は半端じゃないとわたしは常々思っています。あれは抜け感がないながらの抜け感を感じざるを得ません。
アーガイル柄とかの可愛い柄物とか、冬は外せないアイテムですよね。そういえば霧切さんはいつもは美しい生足を惜しげもなく披露してくれていますが、冬に私服でおでかけするときはカラータイツとか穿いてることがありますよ。チャコールグレーとか、ショコラとか。ねこさんの顔ついてるのプレゼントしたら穿いてくれないですかね…

そしてハイソです。あのですね、ハイソって、ハイソなんですよ。……ハイソなんです。お上品で、清楚で、とってもクレバーで。もう制服に合わせてるのがハイソってだけでお利口さんに見えちゃうんですよ。わかりますよね、たとえば江ノ島さんや澪田先輩があの着こなしに足元ハイソだったらって考えてみてください。捗りませんか? お洒落は足元から、の鉄則に則って敢えてのギャップにまあ易々と引っ掛かっちゃいそうじゃないですか? わたしなら跪きます。翻って、これが白雪ちゃんや西園寺先輩みたいな誰が見たって愛らしくていたいけな少女らしい女の子が、ハイソだとしたら。これはもう由々しき事態を通り越してね、事案ですよ最早。事案。シンプルな紺、王道の白、もしくはインターナショナルスクール系列の学校だと散見されるベージュ。どれも素晴らしいですね。ワンポイントが何であるかでまたもう一粒美味しいです。白雪ちゃんがハイソかあ…いいなあ……学校に来る前にしゃがんでソックタッチを塗る白雪ちゃん。それもまた素晴らしいです。白いハイエースのおじさま、ならぬ白い詰め襟の風紀委員さんから拉致られちゃうルートです。 結末は似たり寄ったりです。

そんなこんなです。えーっと何でしたっけ、女の子は何を身に付けてもそれぞれの趣があって素敵だな尊いなって話でしたっけ? その意見に賛成だ! ですよ質問者さん、わたしたちきっといいお友だちになれると思います。うふふ!
それでですね、さしあたって先ほどたまたま終里先輩と西園寺先輩を例に出したのでふとインスピレーションが湧いたんですけど、裸足に上履きの活発さですとか、足袋の直線的でガードの堅い和の心もまた女の子の可愛らしさを引き立てるんじゃないかなって思い付いちゃいましてーー……


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