petit petit | ナノ

ちーたんは男の子です

「ぴゃ……！」
「わー、さくらちゃんすごーい！不二咲ちゃんとはいえそんなに軽々！」
「……済まぬな、不二咲よ。高所は怖くないか」
「こ、怖くないよぉ…怖くないけど、ふえぇ……（´・ω・）」
「（おろした）我程に迄とは云わずとも――有栖川よ、」
「あら、なあに？さくらさん」
「あっ、有栖川ちゃんもイケるでしょーってこと？不二咲ちゃん挙げ」
「そんな重量挙げみたいな感じだったんだぁ……？！」
「あたしが？うふふ、ご冗談を。とてもできっこないわあ」
「(だよねぇ、有栖川さんってクラスで唯一僕より華奢なんだもん)」※背は不二咲のほうが低い
「戯れ言を。鍛えているのは知っている」
「嗚呼、それはその通りよ？力の話をするのであれば訳ないわ。桑田さんくらいまでならワンチャンあるはず」
「できるんじゃーん。あっでも桑田はだめだよ風紀的に」
「あら、それを仰有るなら不二咲さんだって同じでなくて？」
「うぇ？」
「殿方を抱擁するだなんてとてもとても、あたし旦那さまに叱られてしまうわ」
「……ム、確かに」
「不二咲ちゃん、も、……そっか、そーだよねぇ」
「（あ、有栖川さんっ……僕のこと殿方、って……しっかり男だって認めてくれてるってことだよねぇ……！）」
「寧ろあたしや葵ちゃんなんか、不二咲さんに抱えられてしまうのではなくて？」
「そっ…それはなんかドキドキする～！」
「ぼ、僕……有栖川さん（のそういうとこ）好きだよぉ……！」

「許し難いぞ不二咲くんッ！！！！！！！！！！！！！！」

「あー有栖川ちゃんの旦那さん来ちゃったね」
「ふえぇ…僕そんなつもりじゃ、ただ、とっても嬉しくってぇ」
「問答無用だッ！　僕の居ぬ間に白雪へ甘言を呈そうなどと……いつかは斯様な事態が起こるやもしれないと覚悟はしていた、なんたって僕の伴侶は愛らしいからな！　僕以外に見そめる輩が出てくることは可能性として十分あり得たのだ」
「石丸よ、落ち着け」
「……いや而して相手は不二咲くん、彼もまた僕の友人だ。一概に悪漢許すまじと斬って捨てることはできない」
「（悪漢、って、悪い漢（おとこ）って書くあの悪漢だよね……！　な、なんだか大和田くんみたいでかっこいいかも…そっかぁ僕は悪漢なのかぁ……！）ふわぁ……！」
「不二咲ちゃんおかしいよなんでこの場面でそんな嬉しそうなの？！」
「かくなる上は僕はきみを倒すべき敵だと見なすぞ、正々堂々、男として勝負しようではないかッ！　不二咲くん――否、不二咲千尋！」
「（！！！！！すごぉい少年漫画のヒーローとライバルみたいだよぉ！　男として認めてくれてるんだね！）僕、石丸くんも大好きだよぉ！」
「ファッ？！」

「あら、衆道？　趣深いわねぇ」

　***

このあとちゃんと誤解は解けるし巫女は最初から気付いてたので途中からにこにこしながら傍観してました

comment：(0)
2016/08/15 (18:11)

[back]