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超高校級のやきう選手がプロやきうを語るA


・応援歌

「やっぱりあたしは晃のが好きだわ。♪愛する男さ って意味はよくわからないけれど」
「中村晃、帝京魂ですな! 拙者はやはり今年は定番と言われようがナニータですなあ」
「ボクはハマスタで本場のヤスアキジャンプがやってみたい」
「それ応援歌じゃないわよ苗木君」
「桑田君は、自分の応援歌ってどんなの作ってほしいですか?」
「へ?! まァオレ位のレベルになると拘らねェよ、オレの華麗なプレーが引き立ちゃ何でもいーわ。……いやでも"投打に守備も何でもこなすスーパースターのオレ"を一曲に纏めてもらうのか、投手として打席回ってくるときと普通に野手で登録してるときで別に応援歌あんのかはちっと迷うトコなんだよなァ…メロディーも重苦しいのはヤだ、ガキンチョがガッコで歌ったりCMで使われたりするキャッチーなのがいい。あとは勿論アレな、オレが三振獲ったときは向こうさんのアウトコールじゃなしにオレを褒め称えるファンファーレにすんの。オレを打てねえのは当たり前なんだからいちいち敵さん煽んねーでいいんよってことで」
「「「「(めっちゃ拘ってる………)」」」」

・プロやきう好きな女子がブームですね桑田君

「球団ごとに女子ファン用グッズとかあるんですよね、シュシュとかTシャツとか。普通に日常使えるくらいかわいいです」
「あとは選手うちわかしら、それこそさやかさんのようなアイドルのコンサートの応援グッズと見紛うほどの華やかなものもあるわねえ」
「あるわね、『手を振って』とか『ここを狙ってホームラン』とか」
「危ないのではないかね?!」
「球団によっては若いイケメン選手を売り出したコンテンツも豊富なんですって。ほんと、わたしたちの活動みたいなことまでやってるんですねー」
「桑田さんもさぞかしやる気が出ることでしょう、ね…あら……?」
「おー…はよ……はぁ」
「どうしたんだね桑田君、君が斯様に無気力なのはなかなか例を見ない事態だが」
「落ち込んでいる、というよりは疲れている顔ね。大方、なにかに悩んで眠れなかったといったところかしら」
「こえーよ霧切どんだけ探偵だっつの……ファンレター、っつうの?返しに悩んでてよ」
「うん? 桑田くんっていつも甲子園決勝の勝利投手に決まったあの写真ポストカードにして一筆、じゃなかったですっけ。一筆部分に悩んでるんです?」
「差し支えなければ、誰から手紙を受け取ったのか聞いてもいいだろうか」
「……おらよ」
「あらあ上品な一筆箋! たいへんな達筆でいらっしゃること」
「え、ファンレター…ですよね?」
「それは間違いねえ。ねえんだけどよ」
「……つい最近の学生野球選抜の国際大会での桑田君について書かれているわ。確かにファンレターね」
「ふむ、ずいぶん熱心なファンなのだな。印象深かった投球回は味方失策で逆転された直後、と」
「いつもの明るい桑田選手そのままに、少しも苛立つことなく笑顔で野手を活気づける姿に胸を打たれました――なるほど、本当に愛のある目線でご覧になっておられるのだわ」
「っ違ェんだって! オレそんなお綺麗なこと考えてなかったんだっつーの! それまで見せ場なかったもんでヨッシャここ押さえて流れ持ってきたらオレMVPワンチャンじゃね?つってテンション上がってただけなんだって! 勝手に美化すんなよおアホォォ……」
「真意がどうであれ、彼女はそう捉えたということだ。結局は君が意図していた通りの試合展開になったことだし、野手諸君が桑田君に助けられたという事実はなにも間違いではないだろうよ」
「まァ、そりゃあ…マキシマムにカッケー超高校級サマですし……ヤ、でもよお」
「これだけきちんと見てくれているファンのかたならきっと、桑田くんのどんな言葉だって嬉しいはずですよ。このハツ子さんなら、……えっ、えっ――……ハツ子さん御年87歳!?」
「……筋金入りの野球女子ね、桑田君はお眼鏡にかなったことを光栄に思うべきよ」
「はあ成程、お年寄りに純粋に応援されていることが面映ゆくて堪らないのだな……」
「うっせーテメーら外野席の目ンなってほっこりしてねえで助けろやアホアホアホァアア!!!」
「外野席の目、って野球選手ならではの語彙ねえ! とっても面白いわ」
「有栖川ちゃんに至ってはQVCのバーベキュースタンドシート並みの無関心さでいっそ清々しいわ」

・選手メニューをつくってみよう
・ファングッズも昨今は豊富ですよね

後日追記。するかもしないかも。

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2016/09/10 (13:49)

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