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【非ゆめ】未来機関の霧切さんとアルターエゴ舞園さん


 ――いち時期に競べればいつかの平穏を取り戻したといえるのだろうこの慌ただしい「未来」のいまにおいて、一つ心残りがあるとすれば、あのときに少しでも彼女のことを思い出すことができていたら、ということだったのかもしれない。

 着慣れたスーツに腕を通しながら、一日の予定を確認しようとサイドテーブルのノートパソコンへ手を伸ばす。なにも意識するでない、日常のルーティーン。久しぶりに柄でもない夢を見てしまっていたからなおさら、いま現在の自分の職分を思っていたかったのかもしれない。それほどに無意識だったし、おかげで私はそのパソコンに何が宿っているのかを考えることもしていなかった。

『おっはようございます霧切さん! きょうのミーティング、十四支部の活動報告がトップバッターでしたよね…緊張してます? してます? ふふふ!』

 ――。

 奇しくも今朝の夢と同じ温度をまとった、耳に快い美声――不本意だが認めざるを得ないだけのものだ、一般的にも、自分にとっても――が、こちらの気も知らないで至極脳天気ないつもの調子で本日の予定を伝えてくる。
 わが者顔でデスクトップに陣取り、くるりと一周ターンしてみせる「彼女」の青みがかった黒髪がさらりと揺れる。『ちなみに新着メールはお預かりしておりませんっ』と挟まれる業務報告は、間の取りようといい呈してくるニュアンスといい、さながら血の通った人間との呼応のように思われた。ただの機械だ。実体すらない。「かつて」そう判じたのは確かに私自身であったはず、なのに。

『きょうもアイドル兼助手、ばっちりお手伝いしちゃいます。一緒に頑張りましょうね!』

 ついぞあのとき思い出せなかった2年前の、2年間の「彼女」が当然のようにそこで笑っているように感じて、結局は「そうね、頑張りましょう」などと非生産的なリプライを返してしまう私が居た。

 ***

なぜか唐突に原作添い設定である。

2年間のあいだに親友だったことをコロシアイ学園生活のあとによーやっと思い出す霧切さん、学園長のほかにも大きな喪失をしていたことをそこで思い出すやつ。一章で早々に退場した彼女は苗木くんにとってだけでなく他でもない自分にとってめちゃくちゃ大事な存在だった、的な。ここは百合でも親友でもよろしい(蕗的には所謂ブロマンスのゆり版だとおいしいとおもっている)
それで未来機関に入って与えられたPCの中になぜか入ってきたのが舞園アルターさん。不二咲くんが学園生活のあいだに霧切さんに誕生日プレゼントとしてサプライズで作ってたデータが残ってたとかじゃないですかね……

めっちゃ優秀。唄ったり踊ったりもする。ポストペットもする。自分がアルターで原本が死んでることとかコロシアイ学園生活のこととかも覚えてる。未来機関の78期生存組となかよし。ゲッコウガさんとかゴズさんともなかよし。ボクサーのことはぎゃくぞうさんって呼ぶ(雪染さんがサヤカーなので舞園さんには強く出られないボクサー、というマイ設定)。でもあくまで霧切さんのPCに常駐。
そしてときどき「わたし、いま霧切さんのお役に立ててすっごく嬉しいんですよ」とかいろいろ知っているような(スクールモードED並感)こと言ったりする。

っていうのを考えましたが多分どこでも書かないのでここでネタ供養しておきます……。

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2016/09/04 (14:39)

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