petit petit | ナノ

みこぴあ①

「……かわい、い」

「でしょう、PAUL & JOE BEAUTEの秋の新作リップ」
「正直すごく購買意欲を擽られる。ケース可愛すぎない……？」
「そちらが秋の陽、これがキスインザパーク、スナグルアップ。ボルドー系の人気は今年も根強いようねえ」
「普段使いしやすいのはこっちかな、ケース好きに付け替えられるんだったよね」
「あら、さやかさんも大層お気に入りでいらしたのよそのお色」
「……そ、そっかー」
「うふふ、好きを共有できるのって素晴らしいことよねえ。――あら、でも」
「？　どうかした、有栖川さん」
「きょうの七緒さんには少し、そのリップでは色が淡すぎるみたい。もう少し濃いお色のほうがお似合いになると思ってよ――……あたしのを分けて差し上げるわね」

「あ゛――――――――――！！！！　だめです白雪ちゃんそれ以上は許しません七緒ちゃんにちゅーしないでくだｓ「してない！　してないよ舞園さん！！　有栖川さん自分のリップ私に塗ってくれようとしただけだよ！　そんな発想するの舞園さんだけだってば……！」
「でも間接ですよね？！」
「それ言い始めたら私たちの周りそういうので溢れてるじゃない……！」
「ですよ！　だからわたしはいつもいつも我慢して……！」
「白雪、私は昨年だかに出ていた猫の形のリップが好きだったのだけれど」
「あれも愛らしかったわねえ！　今年の猫さんはチークの中に隠れんぼしているのだそうよ？　うふふ」
「霧切さんと有栖川さんは何事もなかったかのようにコスメトークに戻るのやめよう？！」
「七緒ちゃん！！！話はまだ終わってませんよ！！！！！！」

なしくずし的に終わる

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2016/08/24 (19:02)

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