[ 薄暮に錯綜 ] | ナノ



風紀と巫女と絵師と幸運とクトゥルフと(4)



「――よし、銃器の時代考証に時間がかかってしまったがおおよそこのような感じだろう。……白雪?」

「(*-ω-)Zz」

「ダイスに手を伸ばしたまま俯せに床へ寝転がった姿勢で完全に寝入っている……。無防備というかなんというか…(上からぎゅー)」
「んにぃ……(*>ω<)」
「(あ、これが幸せというものなのか)」

「……ではなく、だ! 起きたまえ白雪、いい加減こちらの探索者シートも公開しなくてはいけないのだ! 向こうさんなど絵師を抱えているものだから既に探索者のイメージ画像まで掲載されているのだぞ!」
「…んにゅ……きよくん…(*ノω-)」
「はいはい、きみのお陰で僕は幸せだぞ(ぎゅー)……さて、技能も所持品も一通り出揃ったな。最早どの方面に向けての記述であるかは定かでないが仕方ない。白雪の探索者シートを拝見したいのだが……何処にやったんだね、白雪」
「こ…こ……?」
「いや待ってくれワンピースの中には無いと思うぞ?! きみは眠気が近づくなり急に幼児化するのをなんとかしたまえ!(でも捲れた裾は直してやらない)…あ、テーブルの上にあったな。どれどれ、」


アリス=F= スノーホワイト(♀) 探検家 19歳
STR:14  DEX:14  INT:12 アイデア:60
CON:07  APP:18  POW:12  幸 運:60
SIZ:11 SAN:60 EDU:13 知 識:65
H P:09  M P:12  ダメージボーナス:+1d4
――――――――――――――――――――――――――
[技能]
回避:50% こぶし(パンチ):60% 
ショットガン:85% ライフル:85%
聞き耳:65% 登攀:70% 目星:45% 
水泳:50% 母国語(イギリス英語):65% 
医学:58% 博物学:75%
――――――――――――――――――――――――――
[持ち物]
▽武器
お出かけ用トランク
→メリケンサック
(基本命中率:<こぶし>使用 ダメージ:1d3+2+db 耐久力12)
→辞書
(基本命中率:<こぶし>使用 ダメージ:1d4+db 耐久力10
 頭部狙い可。装甲として扱う場合装甲1※幸運判定が必要)
スリング
→→Winchester M1894 故障ナンバー99
(技能<ライフル>使用/威力1d12+2、1R発射回数2、装弾数14
 <ライフル>-10で銃剣使用可能 その場合1d6+1+db)
自宅所有
→Winchester M1912 故障ナンバー00
(技能<ショットガン>使用/威力4d6、1R発射回数1、装弾数5
 塹壕仕様:命中率+5%、射程距離三分の一)
→H&H Double Rifle 故障ナンバー97
(技能<ライフル>使用/威力3d6+5、1R発射回数2、装弾数2
 2連式エレファント・ガン、狙撃用スコープ付属/<ライフル>-10で銃剣使用可能 その場合1d6+1+db)
▽防具
トレンチコート(装甲1)
革の手袋
▽所持品
お出かけ用トランク
→ロープ、医療セット、財布、手帳、お菓子、双眼鏡、お化粧道具
 猟銃所持許可証、懐中電灯、替えの下着、薬入りピルケース
自宅所有
→それぞれの銃に合わせた弾薬(12ゲージゴムスタン弾を含む)
 野営セット、安全靴、ランタン、薬
 シャベル
(STR14以上で使用可能、基本命中率25% 耐久15
 威力1d10+db、<足>狙い成功で1d4+転倒の付与が可能)

「……何処の世界にショットガンとライフルで生計が立てられるお嬢様が居ると言うのだね」
「アーカム」
「身も蓋も無いではないか。…母国語の数値が心許ないのは大丈夫かね」
「だから図書館も初期値よ。興味のあるお勉強以外はしたくないタイプの子なの、ハンティングとかトレジャーハント、冒険や面白いことがだいすきなのよ。花嫁修業は板につかなかったみたいで、両親がお見合いの話を持ってきても『美味しいお料理が出来てお掃除もお洗濯も出来る殿方がいいですの!』とか無茶な要求をするようになってしまったわ」
「世が世なら傾国とも称されようレベルの絶世の美女も形無し、といったところか。それで僕のPCはますます家事のスキルを磨くことになるのだろうな」
「あら、結婚したいの?」
「僕は白雪と結婚したいぞ!」
「……言葉足らずでごめんなさいね、寝起きで。アルバート氏はアリスちゃんと結婚したいの?」
「むぅ、(ぎゅー)アルバートは長年の勤務実績で当主から厚い信頼を受けている。最近では戯れに『いっそお前を婿に取るかな』と言われている位なんだ。アルバートはそれにいつも生真面目に是の返答をしているのだが、本人としてはいつも本心からそうしたいと思っているぞ」
「アリスちゃん、何にも出来ないわよ?」
「アリスお嬢様のお仕事は可愛いこととアルバートがお仕えするお嬢様であり続けてくれること、これに尽きる。立派に果たしてくれているではないか」
「……あたしももう少し、頭の弱い子になりたかったわ」
「はあ?! 今のはRPの話だろう! 僕は白雪を愛しているぞ?! ――というのは兎も角として、アリスお嬢様は勉強が出来ないわりに<博物学>が高いのだな。それから<医学>も。技能値は50%を超えたら辛うじて開業できるレベル、というのが目安だろう?」
「すべて旅の過程で得た見聞、知識よ。これでも各国各地域を渡り歩いて色々見聞きしてきてる設定ですから、『きゃあ、私これ○○で見たことありますわー!』なんてはしゃいでしまうのは日常茶飯事。<医学>もまた然り。現地の民間療法なんかを取り入れた経験則ね」
「ふむ。容貌は?」
「先刻、清多夏さんが仰ってくれた形容を流用するならさながら傾国の様相。誰彼からも恋愛感情を持たれる、というよりは、ひとに自分を嫌わせない抜群の印象の良さを持っているわ。APPには人間的魅力も含まれるでしょう? アリスちゃんの場合は見栄えの良さもそうなのだけれどどちらかというと印象重視」
「……流石、リアルAPP18の白雪が言うと違うな」
「あら、PLのほうのあたしなんて全然よ? もっと意中の殿方を虜にする術を学びたいくらい――やん、もう! 今はゲーム準備の時間よ? そういうのは後にして頂戴――……ええと、何だったかしら。外見ね。マリア嬢が世相に合ったフラッパー調の断髪だから、アリスちゃんは敢えてロングヘアで行くわ。おぼこな感じで、赤いリボンでツーテール。身長は160cm! きゃあ夢の160cm台! なにが見えるのかしら……!」
「よし、あとで抱き上げてあげよう」
「結構よ、――トレンチコートの中はブラウスにハイウエストのロングスカート、……と言うとなんだかあたしの編入元の高校の制服がベースなのがばれてしまいそうだけれど。それに編み上げブーツ、清多夏さんリスペクトよ」
「(ぎゅー)性格は? あちらのお二人はかなりご自身に即してキャラメイクされているな、RPのしやすさを重視されたのだろうか」
「とにかく好奇心旺盛で、素直。少々向こう見ずなところがあるのが玉に瑕かしら。色々なものを見てきたなかで止むを得ず現地ゲリラと交戦したりもしたから"疑うことを知らない"という程には純粋無垢でもないみたい。ただ、自分に好意的なひと、優しいひとには基本的にすぐ懐くでしょうね。マリア嬢に切り捨てられるシーンがあったなら、きっとポロポロ号泣するけれど笑顔で受け入れることが出来るでしょうね、好きなひとが幸せなら自分も幸せな子よ。――ああ、CONの低さはやっぱり虚弱でいくわ、生まれつきあまり身体が強くないの。いつも傍に居てくれる執事さんにも迷惑は掛けられないから、と辛くなってもこっそり薬を飲んで誤魔化しているみたいね」
「……ふむ、彼にバレなければいいな」
「大丈夫よ、きっと彼はお嬢様を信頼してくれている筈だもの。――さて、清多夏さんの探索者シートはどちら? うふふっ、お日頃はKPばかりされているからキャラメイクは楽しかったのではなくて?」

[プロフィール]

アルバート=R=ウォルター(♂) 執事(制服警官ベース) 27歳
STR:13  DEX:16  INT:16 アイデア:80
CON:14  APP:09  POW:11  幸 運:55
SIZ:14 SAN:55 EDU:19 知 識:95
H P:14  M P:11  ダメージボーナス:+1d4
――――――――――――――――――――――――――
[技能]
回避:85% 拳銃:99% 精神分析:75%
聞き耳:50% 図書館:85% 目星:50% 
運転:90% 機械修理:60% 
母国語(イギリス英語):99% 
芸術(ハウスキーピング):90% 経理:90%
――――――――――――――――――――――――――
[持ち物]
▽武器
ジャケット裏(左右)
→コルト M1908 ベスト・ポケット 故障ナンバー99
(威力:1d6 ホローポイント弾使用 威力+2
 1R発射回数3、装弾数6 <隠す>にプラス補正あり)
→FN ポケット・モデルM1906 故障ナンバー99
(威力:1d6 ホローポイント弾使用 威力+2
 1R発射回数3、装弾数6 <隠す>にプラス補正あり)
ショルダーホルスター
→コルト シングル・アクション・アーミー
 45口径 故障ナンバー00
(威力1d10+2 ホローポイント弾使用 威力+2
 1R発射回数2、装弾数6)
鞄(A4サイズのブリーフケース)
→ブローニング M1910 故障ナンバー00
(威力1d8 ホローポイント弾使用 威力+2
 1R発射回数3、装弾数7)
▽防具
フロックコート(装甲1)
モノクル
ショルダーホルスター
▽所持品
胸ポケット
→大判のチーフ、懐中時計、万年筆、ライター
スラックスのポケット
→飴(アリスお嬢様の好みの味を何種類か)、車のキイ

→工具セット、各銃器に対応した弾薬、財布、手帳
 ブランデー入りのスキットル、紅茶のティーバッグ入りの小瓶
 アリスお嬢様の写真、誕生日にお嬢様から頂いた銀製のナイフ
▽自動車
FORD LINCOLN SPORT PHAETON
(スノーホワイト家当主からお嬢様のお目付け役に与えられている)

「……これだけ銃器を揃えても死ぬときは死ぬのがCoCなのよね」
「さらに言えば、<マーシャルアーツ>+<キック>頭狙い+dbと付けば正直な話、銃器など児戯に等しい数値でしかないのだしな…」
「でも! それにしたって<拳銃>極振りってちょっと清多夏さん貴方!」
「いいやこれはアリスお嬢様をお守りするのには必要な数値だッ! 妥協はしないぞ!」
「射撃の世界的権威がどうしてまたいち名家の執事なんかしておいでなのよ、明らかに就職先を誤っているでしょう?!」
「む? それはアリスお嬢様に一目惚れしたからに決まっているだろう」
「Oh......」
「拳銃のみならず<運転><経理>にも最高峰レベルの数値を振ってしまったからな、恐らくアルバートは青年期をピンカートン探偵社のセキュリティ・ガード部門のほうで過ごしているのだろう。カームラビット氏は恐らく探偵請け負いのほうなのだろうが、元同僚という設定を作っておけばRPも円滑にしやすそうだ。あとで僕のほうから連絡を取っておくとしよう」
「……アリスちゃんはピンカートンとは関係ないわよ? "We never sleep"を聞いて『きゃあ、ピンカートン! 私も大好きですの!』ってはしゃいでしまいくらいには伝説の存在と認識してはいそうだけれど」
「スノーホワイト家はアーカムの名家とあらば、過去に一度や二度は令嬢の誘拐未遂があったとて不思議はない。……いけないだろうか」
「嗚呼、成程そういったアプローチ? 面白いわ、それで構わなくてよ。それでは、アリスちゃん12歳は学校の卒業記念に予約して貰っていたライフルのモデルガンを取りに行った帰りに不遜な輩に誘拐されたということで」
「それを救出したアルバート20歳がアリスお嬢様を運命的に見初めたのだな。その後、何とか彼女の傍に在りたいと思ったアルバートは探偵社のコネをフル活用してスノーホワイト家からのリクルートを奪取。誘拐事件以降、当主から恩を買われていたこともあって執事に収まるのにそう軋轢は無かったものと考える」
「……そのあたりの過程、カームラビット氏はよーくご存知でいらっしゃいそうね。事あるごとにつつかれていそう。年齢もアルバート氏がひとつ下ですものね、なんだかそれを考えると愉快。あ、そうだわ。ここであたし、<アイデア>を振るわね」
「ん?」

【アリス:<アイデア>目標値60→75(失敗)】

「あら。じゃあアリスちゃんは誘拐事件のとき助けてくれた探偵さんが自分の現在のお目付け役さんであることを覚えていないわ。本当に頭弱いのねえこの子ったら……」
「ということはアルバートが半ば強引に自分の執事となったことについて違和感を持っていないのだな」
「だって覚えていないのだもの。新しいお兄さんがやってきましたの! くらいにしか思っていなかったでしょうね」
「……ますますカームラビット氏からの弄りが怖くなって来たぞ」
「外見は?」
「ああ、そうだ…アルバートのAPPを09にした最たる原因である顔の一番大きな傷は、件の誘拐事件でお嬢様を暴漢の凶刃から護るために負ったものにしよう。本当は探偵社のコネで名医にあたることは出来たのだが、既にお嬢様の虜になっていた当時のアルバートがその傷を治すことを承知しなかったのだ。寧ろ名誉の負傷であると喜んでいた目算が高いな」
「清多夏さん、ずいぶんとRPに凝るのね」
「どうしてだかアルバートの気持ちが僕にはよく分かるのでな」
「12歳の女の子がお好きなの?」
「いや、小さくて清らかで愛らしい白雪が好きなんだ」
「アッハイ」
「(′・ω・)……身長は180cm。髪色と目の色はもう僕と同じでいいだろう、執事らしい髪型といえば……むぅ、やはりオールバックが一般的か。気取ってモノクルなど取り入れてしまったが生憎と僕の趣味ではないな」
「まあ、ベタだけどあたしは結構好きよ?」
「(今度調達しよう…)服装は現代の執事とそう変わらないものだという認識で良さそうだな。燕尾服で良いだろう。中にベストを着込む。ジャケットの左右内ポケットに小型の拳銃、それからショルダーホルスターに本命を忍ばせておく」
「成程! それで、性格は?」
「基本的には如才なくスマートな男だ。理知的で、常に冷静。僕とは対照的なだけに少々RPは難しいかも知れないな…初対面の人間やアリスお嬢様には丁重な言葉遣いを徹底しているが、知った間柄の相手や目下に対しては崩れるぞ。一人称は『私』。但し、ピンカートンでデモ崩し紛いのことをしていた時期のアルバートを知っているであろうカームラビット氏は彼の素の口調がかなり荒々しいことをご存知やも知れない」
「アリスちゃんは持ち前の鈍感力でそのあたりはスルーするわね」
「しかしながら、基本的に何かを守ることに対しては条件反射的に身体が動く男だけに、シナリオ中にアリスお嬢様と別行動になった折には同伴者を庇うこともあるだろう。無論、お嬢様が傍に居るのであれば優先順位は固定になるが」
「あら、素敵!」
「個人的には是非ロビンを庇って狛枝先輩に一泡吹かせたいところだな!」
「いい笑顔だこと……」

「よし、これで探索者シートは出揃ったな! だからといって何が始まる訳でもないのだろうが異様な達成感を覚えているぞ、僕は!」
「そうねえ、少なくともこれでエアセッションが出来るくらいにまでは準備が整ってしまったものね……え、これは本格的にお伺いを立てるべきなのかしら。でも明らかにこちらの管理者だけが盛り上がってる感じよ? 大丈夫なの?」
「むぅ…ところで白雪、今回の冒頭でうたた寝をする迄、何のロールをしていたのだね」








「……言いたくないわ」
「な、何だね?! 隠し事など僕ときみの間にあってはならないだろう、さあ云いたまえ! きみの事であればたとえどんな真実でも僕は受け入れる覚悟があるのだぞッ!」
「1d6」
「うん? 何のロールだろうか」
「……まりんさんが、狛枝さんに言われて振っておられたロールよ」
「へ、……ッは、まさか」

「1、だったわ」

「……そ、うか、」
「ええ、1だったわ。完膚なきまでに、PLのリアルSIZに忠実に、今回もまた1だったわ、つまりAカップよ畜生め!!!!!!」
「おおお落着きたまえ白雪ッ! 気にすることはないだろう、たかがPCだ、きみとアリスお嬢様とは別人であり、僕の愛するひとは生涯きみ一人だ、それを努々忘れないでくれたまえ!」
「ひっどい! あたしはAじゃないわ、Bよ! B65だもの!! 一緒にしないで頂戴ッ!」
「……一説にはB65とはA75とほぼ同値であるという話だg「うにゃああああああん!!!うるさいもんうるさいもんうああああああん!ふああああああああああん!!!!」さ、さては白雪、起きた振りして実際まだ眠いのだろう……?!」

「うん、休日の昼だ。たまには勉学を一日休んで昼寝に費やすのも悪くないだろう」
「(′;ω;)」
「……ほら、白雪。一緒に寝よう」
「(′-ω-)」
「床で寝ないでくれ! せめて寝台へ! そして僕が指摘しなかったのも悪いのだが序盤から今まで下着が丸出しのままだぞ白雪ッ!!」





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