[ 薄暮に錯綜 ] | ナノ



風紀と巫女と絵師と幸運とクトゥルフと(2)


「まずはキャラクターシートの用意ね。はい、電卓と鉛筆を用意!」
「この間きみと揃いで買った鉛筆にしよう。オソロという奴だな!」
「あらあら、清多夏さんたらずいぶんとサービスが宜しいのね? こんなところでロマンス力を発揮したところでそもそも夢小説らしさを求めているかたはこんな誰得コンテンツを覗きにいらしたりはしないわよ?」
「メタ発言も大概にしたまえ! ――で、ふむ。今回は遂に探索者作成に入るということで。折角だから先ずはハウスルールの確認からいこうか」
「ええ、といっても前回の焼き直しにはなるのだけれど。」

・ガチでダイスを振ること。
・先に職業を決めてからダイスを振る。
・パラメータ間での数値交換は自由。
・振り直しは全パラメータにおいて行う。(個々の能力値毎には振らない)

「これが前回のぶんね。それから、SIZ、INTのほかにひとつだけ事前申告で2D6+6で振れることにするわ。ただしEDUは3D6+3のままよ」
「ふむ」
「それから、職業は『1920's Occupations』から選んで頂くわ」
「……未訳のサプリメントではなかったかね? 否、僕は特に問題無いが」
「あら。うふふ、実はインターネット上で抄訳を公開してくださっているかたがいらっしゃるのよ。取得可能な技能や職業別の特殊ボーナスまでさまざまね」
「必ずこの中から選ばなければならないのか……」
「職業ベースをこの中から選んで頂ければ、名目自体はなんだって構わないわ? 刑事でありながら実際中身はディレッタント、なんてとんでもないキャラクタが活躍した卓もあると聞くし」
「成程」
「それから、収入ランクは今回反映しないわ。そのあたりは設定付け次第で如何とでもなるところだもの」

「あたし、今回は探検家をやる心算なの! 名家のお嬢様で両親から溺愛されて育ったから金銭感覚が緩くて、それ以上に世間の色々な意味での危険さに些か鈍感なところがあるわ。Explorerの特殊ボーナスはCON+1、現地民や外国政府への説得に+20。正直、あまり得するボーナスではないけれど……まあ、ロマンというものよね。あとはステータス次第で肉付けしていかなくては」
「む、白雪が令嬢PCを作るのなら僕は執事がやりたいのだが」
「……あのねえ」
「きっ決めていると言っただろう! 僕は此処では自分のしたいようにさせて貰うんだッ!」
「(貴方メイン短篇のほうでも大概好き勝手しておられるじゃない)」
「(愛ゆえだ)」
「(直接脳内に……?!)」
「では、このサプリメントからベース職業を選ぼう。秘書…では戦闘技能が心許ないな。この執事はお嬢様の探検にもお供して身のまわりのお世話などが出来るという設定なんだ」
「(即興で考えたにしては随分と込み入った設定だこと)それじゃあアスリート関係か警察関係かしら」
「制服警官でいこう! Uniformed Police Officerの職業ボーナスはSTRとSIZに+1、武器か格闘技能のいずれかに+50のボーナスだ」
「警官は暴力や殺人、怪我なんかを目撃しても正気度が減らないのね。まあ、このゲームで正気度チェックが入るのはそのような場面ばかりではないのだけれど」

 *

「遂にダイスだな…」
「ええ。先にパラメータ別のダイス条件を確認しておくわね」

STR/筋力:3D6
CON/頑強:3D6
SIZ/体格:2D6+6
DEX/敏捷:3D6 → 回避(DEX×2)
APP/外見:3D6 → 魅力(APP×5)
INT/知力:2D6+6 → アイデア(INT×5)
POW/精神:3D6 → 幸運(POW×5)
EDU/教養:3D6+3 → 知識(EDU×5)

HP/耐久力:CON+SIZ÷2 端数切り上げ
MP/マジックポイント:POWと同値)
SAN/正気度:(POW×5)

職業技能値(EDU×20)
個人技能値(INT×10)

「……ええと」
「どうかなさったの? 清多夏さん」
「ここはダンガンロンパの夢小説テキストサイトに相違なかっただろうか」
「ええ、辛うじて」
「――……僕にも件のスラングが漸く正しい意味で使えそうだ。敢えて問おう、 誰 得 な の だ ね」
「いやだわ、このサイトに限って最初から需要など考慮している訳がないじゃないの」
「というか誰向けの解説だというんだッ! どうせこんなコンテンツ、書き手を除けば心優しい天使のような相方氏しかご覧になっていないのだろうn「およしになって!! 相方だなんて烏滸がましい形容を使ってはいけないわ!! ただでさえ管理者は向こうさまのファンのかたから呪詛めいたメッセージがいつ届くか戦々恐々しているっていうのにッ!!」……し、失礼した」
「とはいえ解説SSを展開する気はないのよね。どうせならここであたしが『ねえねえ清多夏さん、STRってなあに?』なんて言って貴方が解説してくださる、なんて風にすればずいぶんと更新が捗りそうなのだけれどね」
「……僕たち、既にPLとしてなら幾度かプレイしているという設定なのだよな」
「ええ。さやかさんや響子さん、冬子さんに不二咲さん、苗木さんとか卓を囲む相手にとって不足ないものね。ルルブなら山田さんやミス・ルーデンベルク、盾子ちゃんあたりがお持ちだしKPもしてくださるし」
「舞園くんにKPを任せたときは大変だったな。ロールプレイ重視の卓はかなりリアルSANを削られたものだよ」
「貴方がKPをされていたこともあったわね、不二咲さんをサブKPに据えて」
「……途中できみのPCをロストさせてしまったことで僕のほうが不定の狂気に陥ったことに関しては深く反省している」
「儀式も中途半端だったというのに大いなるクトゥルフさまが顕現なすったときにはあたし、既に死んだ身ながらこの世の終わりを見た思いだったわ」
「だがあれは不二咲くんも半分悪いんだッ! 僕が一番弱っていたタイミングで横からひっそり『折角だからみんなのことルルイエまで連れてってあげよぉ?』などと囁いてくるものだからッ」
「いやあ……ディープワンにダゴンにと新鮮な海の幸が盛りだくさんだったわよね、あたしあれから暫くお刺身の類がまったく食べられなk「よし! これ以上脱線するのも申し訳ないし取り敢えずダイスを振ろうじゃないか! なあ白雪!」」

「さあ、まずはSTRね。……ううん、うまくいくかしら」

【3d6→5+3+6=14】

「あら、意外といい数値! これなら探検家として問題なくキャラメイクできそうだわ」
「僕の探索者は特殊ボーナスでSTRに+1の補正だ。どうかな」

【3d6+1→3+3+5+1=12】

「なッ」
「うふふ、これが修正のきかないガチ振りの面白さね。まあ、後から数値交換も出来るでしょうし問題はないのではなくて?」
「ああ……ここで2D6+6を申告しておくのだった……」
「落ち込んでいる暇はなくてよ? 次はCON。如何かしら、特殊ボーナスで+1付くとしても」

【3d6+1→1+4+1+1=7】

「まあ! ……病弱な自分の身体を厭うて敢えて外に出ようとする強がりなお嬢様なのだわ、きっと」
「そんなお嬢様はそもそも僕が屋敷から出さないように仕向けると思うのだが」
「いいえ、きっと虚勢を張っているのだわ。執事さんを心配させないようにね。……それに、まだ安心は出来ないのではなくて? 貴方のほうがCON低い可能性ってあるじゃない」
「否、流石にSTRに続いてここまで引っ張りはしないだろう……どれ」

【3d6→5+2+5=12】

「どやだッ!」
「うーん、途中で2を出しているあたりはまだまだかしら、ね。さあ、サイズはぱぱっと決めてしまいましょ」

【2d6+6=3+5+6=14】

「あら、スレンダーですらっとした長身のお嬢さんかしら。これは最悪の場合CONと入れ替えることも出来そうかしら」
「こちらは特殊技能でSIZ+1だ。これで14以下が出ようものなら僕は…う、考えたくもない」

【2d6+6+1=2+3+6+1=12】

「あはは! あーっはっはっは! 愉快!」
「(′;ω;)ふ…振り直し……を……」
「あら、何処かの値を2d6+6で振って入れ替えれば宜しいわ? そこまでの痛手ではないと考えるけれど。さあ、次は敏捷ね」

【3d6=2+3+6=11】

「うん、可もなく不可もない感じでまずまず。悪くなくってよ」
「そ…そろそろ……そろそろ巡って来てくれ……ッ!」

【3d6=2+3+5=10】

「いちたりないが……仕事しやがって……ッ!」
「(あああ二章学級裁判のラストにちょっと出てきた清多夏さんの素らしきものが垣間見えてるわ)」
「……もういい、振り直すさ。これでは白雪を守れないではないか」
「護るのはあたしじゃなくてあたしの探索者よ? ――さあ、外見ね。あたし、ここで2d6+6を振るわ」

【2d6+6=1+5+6=12】

「あら、これは普通に振った方がよかったみたいねえ…SIZとの入れ替えはこちらにしようかしら」
「僕は普通に振るぞ」

【3d6=1+2+3=6】










「……仕切り直そう、白雪」
「あらつまらない、いいじゃないバケツでも被れば? そして<跳躍>取りましょう、南極出身で母国語はペンギン語」
「この通りだ」
「いけないわ、殿方がこんなくだらないタイミングで土下座なんかしたら」
「(′;ω;)」

 ***

ということで次回、仕切り直してダイス振り直します
石丸くんがことごとくダイスの神に見放されてて噴いた

証拠画像↓






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