[ 薄暮に錯綜 ] | ナノ



週刊少年有栖川さん


「――有栖川くん、その……ずっと前から君が好きだった!」
「あら、――……それじゃあ、これ。差し上げてよ」

つ【サイン色紙】

「……は? い、否、有難く頂戴する。……あの、…よかったら、これからきみの傍に居させて欲しいと思うのだが」
「然様で。でしたら、今からあたしの家までおいでになる?」
「ッ?!(こんな急展開があっていいのか……?! 否、しかしもしここで僕が断れば彼女はまた違う男を自分の家に――いけない! 斯様なことを許していい訳が無いッ!)分かった、……不肖石丸清多夏、やると決めたら精一杯努めさせて頂こう!」










「はい、この原稿のここと、ここ。期待通りの精緻さであたし感激よ、助かるわあ」
「どうしてこうなった(ベタ塗りながら)」


 * * *


 今夏アニメ化が決定した「月刊少女野崎くん」パロディです。中の人はみこりんファンだったのでCv担当ぴこりん(岡本信彦さん)との情報に少々小躍りしております。
 でもいつメンにみこりんポジがいなかったので泣く泣く彼のポジはカットになりました。しゅん

 舞台は希望ヶ峰とは一切関係のない普通の高校。ということで77・78期生の皆さんも超高校級の才能…というよりは単に個性豊かな面々、に落ち着いております。巫女も巫女じゃないです。


〇有栖川白雪

清楚可憐を絵に描いたような女子高生。而してその実態は、小学生から大人まで遍く購買層を持つ週刊少年誌において「大空カケル」の名で大人気少年漫画を連載する少年漫画家。作成行程はめちゃくちゃだが最終的にしっかりした少年漫画になる。得意なジャンルは異能学園ものとファンタジー。
学校から徒歩十数分のマンションにて独り暮らし、仕事場兼。炊事洗濯掃除と家事は完璧にこなすが、生憎と女子力という側面から見て華々しいそれかと言うとそうでもない。

〇石丸清多夏

有栖川だいすき!な学年首席の風紀委員長。四角四面できっちりとしたその性分から「きっとあのひとはさぞかしはみ出しの少ないベタが塗れるのだろうなあ」と有栖川に見込まれていた。有栖川のマンションに通いでアシスタント(ベタ担当)を務めることになり嬉しい半分、明らかに異性としては意識されていないのであろう現実に打ちのめされる思いも半分。
背景担当のアシさんは泊まり込みで作業をしているということを知ってからは自分も背景が描けるように死に物狂いで練習しているのだとか。

〇舞園さやか

有栖川の旧知。フリーダム且つ不思議な言動行動が目立つが可愛いので許されている。教師生徒問わず知らないものはない有名人。声楽部に所属しており「歌姫」の異名を取る。ナチュラルボーン大和撫子な外見とは裏腹に少年漫画が大好きであり、なかでも「大空カケル」先生の大ファン。全巻集めている。しかし同じクラスでよくつるむ友人がその先生ご本人であることは知らない。
やることなすことフリーダムなのでアシスタントに呼ばれることはない。

〇霧切響子

同じく有栖川の旧知。高校生探偵として知る人ぞ知る仕事ぶりを誇り、出ていない授業のノートや抱えている案件についての助言などの返礼としてアシスタント業務を請け負っている。なぜか舞園から懐かれたいへん迷惑しているが底の底では満更でもないご様子。日中に舞園によって累積させられたストレスを、就寝時に流す舞園の歌声で癒す矛盾したライフサイクルを送っている(曰く、彼女の歌でないと眠れないとのこと)。
主に効果や小道具(武器やメカなど含む)に強く、その徹底したクーデレぶりをひっそり有栖川からヒロイン役の参考にされたりもしている。

〇狛枝凪兎

演劇部の眉目秀麗たるホープ。成績優秀スポーツ万能且つ容姿端麗な所謂王子さまキャラ、だが女だ。女子にモテモテかと思いきや愛してやまないと公言する存在があったり本人の性格に難があったりするために実際そこまでモテない。ちょっと怖がられている節すらある。霧切と同クラス。長身で舞台映えするため花形に据えられてはいるが、「まりんさんが相手役じゃないならやらない」とエクストリーム我儘を発揮するためよく部長の日向にどつかれたり副部長であり大道具担当の左右田に泣かれたりしている。
まりんさんがアシ業に従事していることが発覚し、途中でチーム有栖川に合流。まりんさんに倣って原稿の消しゴム掛けなど行ってくれていたが、のちにトーン貼りに謎の才覚を見出されることになる。

〇秋月まりん

演劇部の美術班リーダー、にして本人の意志とは裏腹に役者班ヒロイン担当。花形役者が自分相手でないと舞台に上がらないとアルティメット我儘を言うので本人としては背景を描いたり道具を塗ったりポスター描いたりしていたいのに本番では舞台に立つ羽目になる。少女漫画の主人公ばりの美少女なのでひとたび舞台に立てば主役に見劣りしない輝きを放つ。
有栖川に演劇の脚本を依頼する代わり、背景担当のアシスタントとして彼女のマンションに通っている。泊まりの作業日は交代で食事当番などやってみたりちょっとした女子会の様相である。原稿やれ。かわいい顔してサブカル方面に明るいため、新技を考案したり敵の通り名を検討したりといった漫画の内容面にも深く突っ込んだアドバイスをくれる。


 * * *


 本編? ありませんよ?
 ちなみに担当編集さんは弐大ニキです。先代編集さんはソニアさん。

 そのうち同設定で小咄が挙がることもあるかも知れませんがこういうのはノリ以上の伸ばし方をするとそのうち疲弊してくるって蕗も相方もよく承知しております




/ Back