教室に戻ると、中にはお菓子の山をぼーっと見つめる仁王だけが残っていた



「…おい仁王、大丈夫か?」



俺が耳元で声をかけると、仁王はゆっくりと俺を向いた



「ブンちゃんに疲れたナリ…」



そう言うなり、仁王は机に突っ伏す



「お菓子食べて元気だせぃ」




俺が仁王の肩を叩くと仁王はため息をつきながら、いらんと呟いた




「じゃあ、遠慮なく俺がいただくわ」



仁王の体になっても、食欲が絶えることはないみたいだ



次から次へとお菓子を口に放り込む俺



「ブンちゃんは俺の体もブタにする気かのう」





呆れたようにそう言った仁王に、俺はデコピンを食らわす



「俺はブタじゃねぇ!」



「はいはい…

ところでブンちゃん」



「何だよい」



答えながらなんとなく、仁王が言いたいことはわかっていた




「…これからどうする気じゃ?」



「うーん、とりあえずあれじゃね?

もっかい頭ぶつけてみるとか」




「ベタじゃな」




苦笑しながらも仁王も賛成らしく、お互いに距離をとってから





ガンッ!!!!



と思いっきり頭をぶつけた






「…………っ!!

やっぱりダメか、てか仁王石頭すぎ!」



俺はじんじんする頭を押さえて、半分涙目になりながら仁王に訴えた




「つまり石頭なのはブンちゃんってことになるがのう」




しらっと余裕をかましているが、仁王もかなり涙目だ





「とりあえず今日は、俺んちに泊まるか?」



「そうするかのう

はぁ、純子に会えん…」





仁王から純子という名前が出て、心臓がドクンとなって


さっきのキスがフラッシュバックした













少しの罪悪感






そうだ、コイツがどれだけ純子のこと好きかなんてわかりきってたはずだ





俺はもうしないと密かに仁王に誓いながらも



純子の柔らかい唇が忘れられないでいた






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