04



「ついに…、今日やわ」



わたしはそう呟きながら嬉しさを噛み締めた



そう、今日で、この忌々しいプール掃除は終わる



そんな最終日ももちろん財前は遅刻し、わたしは彼とは口を聞かなかった



「よし、おわったぁああ!」



「めっちゃ重労働っすわ、全く」



プールを出て、わたしたちはお互いに顔を見合せる



「明日から無いんや…

あー、清々した!」



「俺はそうでもないで、日向に会えんくなるし」




……はい?



今のはわたしの、聞き間違いですよね?



「なぁ、日向」



「なんや…」



「俺、好きやで」




財前は、わたしの目を見て真剣な表情をした



「なっ…、いきなり何言っ「お前のピアス、好きやで」




「………!」



また嵌められた!



一瞬でも勘違いしてしまった自分を殴りたい




「ははっ、そんな怖い顔すなや

ピアスだけやのうて…」



財前はふわりと笑った



こいつがこんな顔で笑うとこなんて、見たことがない



そう思い呆気にとられていると、    「好きや、お前のことも
ずっと前から」



と耳でささやかれた



「まっ、またからかって…」



「からかってへんよ、じゃなきゃキスなんてせえへん」



「なっ……!」



わたしの顔はみるみる赤くなっていることだろう



「返事、聞かせて」




    ゆっくり愛を語ろうか





「……お友達からお願いします」



「それはええってことやろ?」



「違うわ!アホ!」



「顔にええって描いてある」



「描いてへんわ!」



「そんなとこも好きやで、みかげ」



「なっ、名前で呼ぶなっ〜〜!」



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プールシリーズ終わり!


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テーマ「人外ファンタジー」
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