エリアリ
「は……?
アリス、もう一度言ってくれないか」

「えっと…、私、妊娠したかもしれないの」



「!?本当、なのか?」


「そうみたい…」



私はエリオットの様子を伺った


まだ結婚もしていないのにめんどくさいと思っただろうか、エリオットは堕ろせと迫るだろうか

そして、


エリオットは私の事を捨てるだろうか



「アリス……」


「何?堕ろせって言うなら私1人で………っ!!!」



「やったな!アリス!!!!一体何匹産まれるんだ!?」



「ちょ、エリオット!苦しい!苦しい!」


予想に反して、エリオットは嬉しそうな表情をしながら私を抱きしめた


あぁ、苦しいけど、嬉しい


この人は私を見捨てないでいてくれるのね


私から離れたエリオットは


「なぁアリス!何匹、何匹なんだ?」


と嬉しそうにしながら言った


「いや、1人だから…」


「1匹なのか!?女か?男なのか!?」



いや、人間なんだから単位は匹じゃないってば


そう言おうとしたが、目の前にひょこひょこするものを見た瞬間、何も言えなくなった



「ちょっと待って……」



エリオットって、ウサギさんよね?


つまり……


私の胎内にはウサ耳のついた子供がいるかもしれないってこと?



「そんなの、絶対嫌!!」


「どうしたアリス、何か嫌なことがあるのか…?お腹、痛いのか…?」


心配そうにするエリオットには申し訳ないが、嫌なものは嫌だ


そんな子供、姉さんに見せられない


「きっと姉さん、びっくりしすぎて倒れちゃう…」



頭を抱える私に、「次は頭が痛むのか!?アリス!」と駆け寄るエリオット


「大丈夫、大丈夫だから…ちょっと1人にさせて…」


エリオットを引き剥がそうとしたが、それは叶わなかった


「1人になんてさせねぇ!」



ギュッ、そう音がするぐらいに抱き締められる


「アリスも、お腹の子も、俺が守るから

1人になるなんて言わないでくれ…頼む」



切なそうな声


話は全く噛み合ってないけど、不覚にも嬉しかった



「はぁ、ウサ耳でも仕方ないわね、、」


「ん?俺はウサギじゃねーぞ?」



「なんでもないわよ」


ぽかんとするエリオットの頬に、私はそっとキスをした



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