「・・・で、なんで白石蔵ノ介さんはここにいるんや?」
おいしいチーズリゾットを食べながらすっかり彼と打ち解けてしまったが、やはりこのことは聞いておかなければと思う
「みかげちゃん、なんで俺のことフルネームやの?」
「だってなんて呼べばいいのかわからへんもん
えっとじゃあ、白石さん?」
「下の方でええよ、蔵ノ介さん、」
「じゃぁ、蔵ノ介さん」
少し照れながらそう呼ぶと、蔵ノ介さんがにこっと微笑んでくれる
ヤバい……
ほんと、この人イケメンだ
「で、質問に答えてはくれへんの?」
「・・・うーん
ある人に頼まれた、としか言えへんのや、堪忍な」
蔵ノ介さんが困ったような表情をするが、ある人と言われても、正直言って一人しか思い浮かばない
「ある人ってさ、もしかしなくてもさ……、
謙也兄ちゃん?」
その思い浮かんだ一人をわたしは蔵ノ介さんにとりあえず伝えてみた
「ちゃ、ちゃうで!!!!!」
謙也という名前を出した瞬間に焦り出す蔵ノ介さん。
これは、もしかしなくても図星やな
「ったく謙也兄ちゃんは!!!!お節介すぎやっちゅうねん!!!」
謙也兄ちゃんの親とわたしの親がおさななじみなので、謙也兄ちゃんは勝手にわたしのことを妹のように扱っとる
それがわたしが中学生になった今でも抜けないんやから、ホンマにホンマに迷惑である
「いやー…、あいつの気持ちもわかってあげてなー?」
蔵ノ介さんはそう言って苦笑いする
「わかりたくもない…」
そう言ってムスっとすれば、
「やってみかげちゃん、こんなかわええんやもん」
そう、蔵ノ介さんは王子スマイルを浮かべた
未確認未体験ゾーン
(け、謙也兄ちゃん以外のひとにはじめて可愛いとか言われた…!!
ど、どないしよ!!!!!)
(みかげちゃんホンマかわええな、でも手ぇ出したら謙也に殺されるしなぁ)
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謙也兄ちゃんがとても不憫なことがよくわかるね!!!!!!!
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