04



彼が死んだという 報告は主治医だった医者から聞いた
彼がいなくなってかも僕の治療は続いていくはずだったが僕はそれを断った
彼との約束があったから僕は生きてきた
でも、結局彼は僕のために人生を棒に振ったようなものだ
だから、決めた
転生したら、もう本当に断ち切ろうと
そばにいて守るだけでいい
彼のまっすぐが僕に向きさえしなければ、彼はきっと幸せに生きれるはずだ

僕の記憶は受け継がれる
だから、きっと次の僕はうまくやってくれるだろう

数日が過ぎた
彼が死んでからまともに食事どころか薬も飲まなかったため予想より早くに転生がかないそうだ
重くなっていくまぶたの裏に浮かんだ彼の言葉
彼と過ごしてきた今までの僕の日々
全部に蓋をしろ
次の僕はこんなふうに彼の一直線を受けないように徹底的に優しくなんてするな
それが、僕の罰だ
彼に思い出すことを望み、その末に昔の僕と同じような日々を望んだ僕への罰だ
忘れたらいけない
そんな戒めを胸に彼との思い出に蓋をしていく
瞼が閉じると同時に僕の意識も消えた





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