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3


やり直して、一つ目が鬼となった。



「ぎゃー!!!」



元祖おばけ、のようにして追いかけてきた一つ目に悲鳴をあげた河童が踏まれた。



「出ておいで〜〜」



次に鬼となったのは紅峰。



「ひとぉーつ。ふたぁーつ」



木の裏に隠れていた子狐は恐怖に震えていた。



「確か影を踏んだら好きにしていいんだったね」

『そんなルールはないよ』



ヒノエと灯篭を挟んで間合いを保つ雪野は、顔を引きつらせてなんとか逃げる。



「そうか。影を前にして逃げればいいのか」

「北だ。北に向かって走れ」



追いかけてくる鬼から、知恵や反則ギリギリの小技を使って逃げる。何度目か鬼が代わり、さすがに妖達も息を切らして地面に座り込む。



「な、何だこの遊びは…」

「エ、エンドレスだ…」

「人の子は恐ろしい遊びを考えるねぇ…」



楽しさよりも疲れが勝ってきた。



「雪野らどうやりゃ終わるんだい?」

『え………』



流れる汗をぬぐっていた雪野は、困ったようにする。



『私、影踏み鬼とかしたことないから…貴志君、どうすれば…』

「…実は…」



気まずそうに夏目は目をそらす。



「いつも遠くから見ていただけで、やったことはないから詳しくはわからないんだ」

「「何!?」」

「………ごめん…」



言い出しっぺの身でありながらのオチに、夏目は恐縮して謝る。



「じゃあ、私達と同じで夏目と雪野も初めてなんだ」

「そうだよ。子供がこれを楽しそうにやってた気持ちが、今やっとわかったよ」



ーーーー…確かに。部屋の中から子供達が外で楽しそうに遊ぶ様子を眺めていた自分を、雪野も思い出す。



「次の鬼は斑さまか。じゃあラストゲームということで」



傾きつつある日と、体力的な問題に紅峰が言う。



「影を踏まれた者はその場で失格とし、全員の影を踏めたら鬼の勝ちと致しましょう」

「ちょっと待てそれは鬼の運動量がハンパじゃないぞ」

「良い案ですな」



斑の異論など全員がスルーで賛成。



「では、踏まれた者はこの円の中に入るということで」

「うわぁ入りたくないなぁ」

『なんで墓…』



円の中に墓という文字が刻まれ、人間としてはすごく複雑。



「でははじめ!」

「あ」



勝手に始まり、逃げていく全員にもう斑はやけくそだ。



「おのれ〜〜〜〜」



意地でも全員捕まえて見せると、短い手足をフル稼働させた。




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