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「何で祓い人なんかと一緒に…?」
『カイ…!』
振り向くと、探していたカイがいた。
『よかった、話があるの。名取さんは…』
「ーーーーああ、そうか…雪野もそいつの仲間なんだね」
無表情に見つめるカイに雪野ははっとする。
「オレを騙したな雪野…」
雪野に頭を撫でてもらった時を思い出したカイは、悔しそうに、泣きたそうに雪野を睨みつけた。
「騙してオレに近付いたな!」
『!ち、違う。話を聞いて』
「そんなにオレが邪魔なら、山へ帰れと言えばよかったのに!雪野が頼むならオレはそうしたってよかったのに!!」
誤解を解こうとしていた雪野は、そう怒鳴ったカイに言葉が出なかった。
「ーーーーもういい…」
静かな声でカイは呟く。
「ーーーーもう人間はこりごりだ……井戸を見つけて鬼達を仲間にしよう」
『!カイ、待って…』
ーーーーゴッ.
雪野の声に耳を貸さず、カイはその場から消えた。呆然と立ち尽くしていた雪野は、ふらりと体を揺らした。
ーーーーとんっ.
「雪野」
ふらついた雪野の体を夏目が支える。
「ほうけてる場合か、面倒なガキ共め。どうする雪野…」
足元で斑が言うが、雪野はぼんやりと前を見つめている。
「ーーーー雪野!」
はっ、と雪野は夏目の声に我に返る。
「カイを追え。井戸はおれと名取さんに任せろ」
『貴志君』
「ちゃんと伝えないと…このままでいいのか?」
言い聞かせるように肩を掴み真っ直ぐに見つめる夏目に、雪野は目を丸くしていたがすぐに表情を引き締めた。
『ーーーーよくない』
しっかりと両足で立つ。
『すみません名取さん、行きます』
「ーーーーああ」
『先生』
どろん、と斑が本来の姿に戻る。
「くっそう。面倒ばかり起こしおって」
すぐに雪野は斑の背に掴まる。
「井戸は私と夏目で必ず封印する…雪野ちゃん、すまなかった」
『ーーーー雪野でいいです、名取さん』
「行くぞ雪野」
ーーーーゴッ.
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