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ドルイットが装置を起動させないので、それぞれソイツらを倒していく。それを見てのドルイットの反応。



「おお…おおッ」



我が身を賭けて命を散らす剣闘士達。

さながら此処は背徳のコロッセウム。

眼下を眺めワインくゆらす私はまさに…。



「皇帝ネロのごとしッ」

「ああ゛ああ゛あ゛ああッ。もぉアイツ殺っちゃいません!?」

「さっきアタシのこと止めたわよね!?謹慎くらいたいの!?」



イライライライラとしながら青筋浮かせるロナルドにグレルは怒鳴るとドルイットに顔を向ける。



「アンタッ!さっさとソレ動かしなさいヨッ」



「いいだろう」とふっ…とドルイットは笑う。



「いよいよ建国の時だ」



やっとかよ、と全員が思っていたが、それだけで終わる訳なかった。



「さあ皆の者、皇帝への忠誠を誓う不死鳥の舞を見せてくれたまえ!」



その瞬間全員の心が恐らく、最初で最後で一つになった。





















ーーーーやっぱ殺そう。



「おやおや。あの装置がなんなのかわからず仕舞いでいいのかい?」



五人の心の声を聞き取った…つーか誰にでもわかるその考えに葬儀屋が笑いながら言う。



「『くっ…』」



悔しそうに全員押し黙る。



「どうしたんだい?さあ!!」



これは…早く終わらせたくばするしかない。



「「『か…完全なる胸の炎は…』」」

「「何者にも消せやしない…」」

「我ら、新しき」



不死鳥!!!


「よろしい諸君!見せてやろう。私にひれ伏す死の軍団を!!」



ーーーーカチッ.

ドルイットによってスイッチが押されたのだが…。



「あれ?」



え?



「あれ?」



ん?

次の瞬間動き出すソイツら。



「ノーーーーンッ!!!」

「ぎゃーーーーっはっはっはっはっはっはっはっははは」

「どういうことだ!?」

『うるさい葬儀屋!!』



死ぬんじゃないかと思うほど大爆笑の葬儀屋。



「リアン!君が造った装置効果がないじゃないか」

「そ…そんな」



なんだか聞き捨てならない言葉が聞こえて二人ははあ!?とドルイットを見る。



『ちょっと待った!』

「お前が造ったんじゃないのか!?」

「私がこんな物造れるわけがないだろう!私個人の判断で拝借した」

『お願い今カッコつけないで』

「『腹が立つ』」

「貴様ッ、私を騙したのか!?」



リアンの言葉に「!?」とセバスチャンはリアンを見上げる。



「ハッ。とんだ茶番ネ」



手摺から飛び降りたグレルは着地すると目の前に立ちはだかるソイツらを一気に潰した。その様子にロナルドはヒュー♪と口笛。



「やっぱスゲー…って先輩!!」



誉めていたのもつかの間、グレルがドルイットに駆け出しているのを見て慌てる。



「死神は人間殺しちゃマズイって…!!」



ーーーーガキィィン.



「なっ……!?」



その場の全員が今起こった状況に戸惑った。ドルイットに向かって振り下ろしたデスサイズは、葬儀屋によって防がれたのだ。



「ヒッヒッ…ここまで笑ったのは久々だよ…こんな面白い男を失うのは、小生にとっては世界の損失なんだけどねぇ」



デスサイズの刃が、葬儀屋の持つ板を貫けずにいる。



「君もそう思わないかい、死神くん?」



問われたが、そんなものに答える余裕などない。



「デスサイズの刃が通らない…ッ!?」



葬儀屋はグレルのデスサイズを弾き返すと、コートの下から何本もの板を出して見せた。



「!!」



ーーーーパァン…!



「ぐウ…ッ」

「坊ちゃん!!お嬢様!!」



何本もの板を葬儀屋はグレルの背後にあるガラス張りの天井に向け放った。床に降り注ぐガラス片でグレルは目の上を切り、セバスチャンはガラス片から二人を守る。



「ああ、悲しいねェ…」



降り注ぐガラス片など気にもとめず、葬儀屋はそう言うと長ったらしかった前髪をかきあげた。



「ここから笑いが消えてしまうのは」



初めて見たその瞳は、黄緑色に輝いていた。





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