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男はみんなロマンティスト





「まぁまぁ。遠慮せずに食べなさいよ」


飯を奢るとか言って呼び出され行けば、私と銀ちゃんの前にはマヨネーズが山盛りにトッピングされた丼が。


「『…何コレ?』」


無表情に私らは向かいに座る沖田クンと呼び出した張本人多串君を見る。


「旦那、お嬢、すまねェ。全部バレちゃいやした」
「イヤイヤそうじゃなくて」


眉根を寄せながら丼を見せる。


「何コレ?マヨネーズに恨みでもあんの?」
『つーか何丼かすらわからないんだけど』
「カツ丼土方スペシャルだ」


ああ、カツ丼だったのか。なんて勿体無い。


「こんなスペシャル誰も必要としてねーんだよ」
『むしろ消え失せてしまえ』
「オイ姉ちゃん、チョコレートパフェ一つ!」
『私本日のケーキ盛り合わせね!』
「お前らは一生糖分とってろ。どうだ総悟、ウメーだろ?」
「スゲーや土方さん。カツ丼を犬のエサに昇華できるとは」


私的にはそれを食べた沖田クンの方がすごいよ。


「…何だコレ?おごってやったのにこの敗北感…」


当たり前の空気だろ。


「…まぁいい。本筋の話をしよう」


吸っていたタバコを消して多串君はこちらを見てきた。


「…テメーら総悟にいろいろ吹きこまれたそうだが、アレ全部忘れてくれ」


やっぱその話か。


「んだ、オイ。都合のいい話だな」
『その感じじゃ、アンタもあそこで何が行われてるのか知ってんじゃないの?』
「大層な役人さんだよ。目の前で犯罪が起きてるってのにしらんぷりたァ」
「いずれ真選組(ウチ)が潰すさ」


ピンッと銀ちゃんはマヨネーズカツ丼に鼻くそを飛ばした。


「だがまだ早ェ。腐った実は時が経てば自ら地に落ちるもんだ…てゆーかオメー土方スペシャルに鼻クソ入れたろ。謝れコノヤロー」


食べ物粗末にした奴が言うか。


「大体テメーら小物が数人はむかったところでどうこうなる連中じゃねェ。下手すりゃウチも潰されかねねーんだよ」


マヨネーズカツ丼にガッツく多串君を見て気分が悪い。よく食えるなそんなもの。


「土方さん、アンタひょっとしてもう全部つかんで…」
「…近藤さんには言うなよ。あの人に知れたらなりふり構わず無茶しかねねェ。天導衆って奴ら知ってるか?」


知ってるような知らないような。


「将軍を傀儡にし、この国をテメー勝手に作り変えてるこの国の実権を事実上にぎってる連中だ…あの趣味の悪い闘技場は…その天導衆の遊び場なんだよ」
「姉ちゃん、チョコレートパフェおかわり!」
『私も本日のケーキ盛り合わせ追加!』
「お前ら話聞いてんのか!!つーかどんだけ食う気なんだよ!?」


夢中に食べていた私と銀ちゃんの周りにはパフェのグラスや皿が積み上げられていた。やっぱ奢りだといくらでもイケるね。




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