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カワイイを連発する自分自身をカワイイと思ってんだろ お前ら




「私的にはァ〜何も覚えてないんだけどォ、前になんかシャブやってた時ィ、アンタに助けてもらったみたいなことをパパからきいて〜」


仕事で「でにぃず」にいけばそこにいたのは春雨とやり合う理由を作ったシャブ中娘。しかし銀ちゃんは覚えていないよーだった。


「シャブ?覚えてねーな。あーアレですか?しゃぶしゃぶにされそーになってるところを助けたとかなんかそんなんですか?」
「ちょっとォマジムカつくんだけど〜ありえないじゃんそんなん」
『銀ちゃんしゃぶしゃぶは牛だよ』
「あーそうだったな。じゃあ何ですか?ポークビッツか?ポークビッツなら満足かコノヤロー」
「何の話をしてんだよ!」
『春雨とやり合った時のシャブ中娘だよ』
「あーハイハイあのハムの!」
『そうそれ』
「それじゃねーよ!!豚からハムに変わっただけじゃねーかよ!!」


なんか不満?


「もうマジありえないんだけど!頼りになるってきいたから、仕事もってきたのにただのムカつく奴じゃん!」
「『お前もな』」
「何をををを!」
「す…すんません、あのハム子さんの方はその後どーなんですか?」
「アンタ、フォローにまわってるみたいだけどハム子じゃないから、公子だから!」


ハム子であってんじゃん。


「麻薬ならもうスッカリやめたわよ。立ち直るのマジ大変でさァ、未だに通院してんの…もうガリガリ」
「何がガリガリ?心が?」
「痛い目見たし、もう懲りたの。でも今度はカレシの方がヤバイ事になってて〜」
「彼氏?ハム子さんアンタまだ幻覚見えてんじゃないですか!!」
『空想の彼氏なんて虚しいだけだよハム子』
「オメーら人を傷つけてそんなに楽しいか!!」


冗談じゃん。


「コレカレシからのメールなんだけど」


【太助より】
件名:マジヤバイ
マジヤバイんだけどコレマジヤバイよ
どれぐらいヤバイかっていうとマジヤバイ


「あーホントヤベーな、こりゃ俺達より病院にいった方が…」
「頭じゃねーよ!!」


それはそれでヤバイよ。


「実は私のカレシヤクの売人やってたんだけど〜私がクスリから足洗ったのを機に一緒にまっとうに生きようってことになったの〜。けど〜深いところまで関わりすぎてたらしくて〜辞めさせてもらうどころか〜なんかァ組織の連中に狙われだして〜とにかく超ヤバイの〜それでアンタたちに力が借りたくて〜」


ぶっちゃけあまり関わりたくない依頼内容だったから断ろうかと思った私ら。しかしパフェとケーキ食い放題と、依頼料の半端なさに私らは二つ返事でオーケーし、その彼氏がいる所へと向かった。


「うわァァァァァ!!」


ーーーーガシン!!

コンテナのうえにいた私らは悲鳴が聞こえると飛び降りた銀ちゃんに結んだロープを掴んだ。今回の作戦はただ単に彼氏を銀ちゃんが抱えて私らが引っ張り上げる作戦だ。チョロいチョロ……ん?


『ハム子ォォ!!お前なんでおりてんのォォ!?』


銀ちゃんの上へと勝手にハム子が飛び降りてしまった。銀ちゃん生きてるかな?見下ろすと瀕死の状態。あらら。


「…う…う、メス豚が邪魔しやがって。オイ、作戦変更だ、連中を残して戦線離脱するぞ!」
「あいあいさー」


私らはロープを引っ張る。


「!!あっ!!てめェ何一人で逃げてんの!?」
「悪いが豚二匹しょって逃げる作戦なんざ用意しちゃいねェ、ハム子、てめーが勝手なマネするからだ!」
「ふざけんな!!パフェとケーキどんだけ食わせてやったと思ってんだよ!!」
「キッチリ働けや!!」
「うごっ!!」


そう言うと二人は銀ちゃんの足にしがみついた。


「はっ…腹がしめつけられ…ぐふっ!やばいってコレ!出るって!なんか内蔵的なものが出るって!!」
「内蔵的なもの?いやだヨそんな銀ちゃん!四六時中そんなの出てたら気を使うヨ!!関係ギクシャクしてしまうヨ!」
「『出るわけねーだろそんなもん!』」
「架珠、新八、縄お願いアル」
「あっ、ちょっと!!」
『神楽ァ!?』
「ハム子ォォォ!!」
「!」
「銀ちゃんから手を離すヨロシ!このままでは銀ちゃんの内蔵がァァァ!!」
「ちょっ…何すんのマジ、ムカつくんだけどこの小娘!!」


銀ちゃんのもとへとおりた神楽はハム子達を蹴落とそうとしてるが、逆に私らと銀ちゃんに負担を倍増させるだけだった。


『ちょ、も、マジムリ!!』
「架珠さん力抜かないでください!」
『ぬいてないっつの!』
「っていうかテメーも降り…あ゛っ!!出たァァ!!ケツからなんか出たぞコレ!架珠!!見てコレなんか出てない?俺?」
『知るかっつーの!』
「ああダメだァァ!!」


ーーーーズルッ!!


「『しまった!!』」


結局耐えきれずロープは下へと落下した。


「銀さん!ヤバイ早く逃げて!!」
『銀ちゃん神楽!!』


私は下へとバッと飛び降りた。すると前方から沢山の天人共がこちらへと襲いかかろうとして来たが、神楽が傘を発砲した。


「ケッ、結局俺達ゃ、こいつが一番向いてるらしーな。ついてこいてめーら、強行突破だァァ!!」


銀ちゃんのかけ声を合図に私らは天人共へと突っ込んでいく。


「オラどけどけどけどけェェ!!」
「おお、アンタやればできるじゃん!!ヤベッ惚れそっ」
「いや、ホントにヤベーから止めて!それよりコレ何!?どーゆこと!?」
『たかがチンピラ一人の送別会にしては、盛大にしてくれてんね』
「どーにもキナ臭せーなその陰毛頭!」
「なに?太助がよからぬことでもやってるって言うワケ?」
「ふざけんな!俺は公子と一緒にまっとうに生きていくと決めたんだ!もうあんな白い粉とは一切関わらねェ!!それから俺は陰毛頭じゃねェ!コレはオシャレカツラだ!なめんなよ!!」


そう言ってヅラを取った頭を見て私らは一瞬固まった。


「……オーイ、モノ隠したのどこかぐらい自分で覚えておこーや」


頭には明らかにあいつらが欲しているのであろう白い粉が。バカだろコイツ。


「あっ!!あの白い粉は転生郷!!」
「野郎あんなところに隠してやがったのか!とり戻せェェ!!」


また襲いかかってきた奴らを私らは倒していく。


「…太助、アンタ…組織から麻薬持ち逃げしてきたんだね。どーして、もう、麻薬と関わるのは止めようって言ったじゃん!一緒にまっとうに生きようって言ったじゃん!」
「太助…取り引きといこうか?」


私らの横で勝手に進んでいく話。ハム子と持ち逃げした麻薬…どちらを選ぶかと思っていれば、即決で麻薬を選びやがった。しかも逃げ足はやっ!!


「その女なら好きなよーにしてくれていーぜ!あばよ公子!お前とはお別れだ!!」


逃げながら太助がハム子に言う。


「金もってるみてーだから付き合ってやってたけど、そうじゃなけりゃお前みたいなブタ女ゴメンだよ!世の中結局金なんだよ…まっとうに貧乏くさく生きるなんてバカげてるぜ!」


貧乏バカにすんじゃねーよブタ。


「『逃がすかコノヤロー!!』」


私と銀ちゃんは逃げ出した太助に木刀と鉄扇を投げつけた。それは見事にヒットし、太助が気絶したところへ私らは近づく。


「人間食い物にする天人…それに甘んじ尻尾ふって奴らの残飯にがっつく人間ども…」


私は太助の頭から転生郷をはがす。


「ブタはテメーらの方だよ。薄汚ねーブタ守るなんて、俺は御免だぜ」


私も。


「てめー敵なのか味方なのかどっちだ!?」
「どっちでもねーよ」
『そんなことよりさ、ホラコレ。コレとそのブサイク交換しよーよ』


私は転生郷を奴らへと見せつける。


「………お前から渡せ」
『じゃあお言葉に甘えて』
「あ゛!!」


私はひょい、と転生郷を投げた。


「アイツ投げやがった!」
「オイ誰かとれ!」


しかし、それはコンテナの上にいた新八の手によって斬られた。


「わァァァァァ!!」
「ああー大切な転生郷がー!!」
「お前ら拾え、拾えー!」
「アイツ何してくれてんだー!!」
「そういやあの女もいねーぞ!!」





混乱に乗じて私らはすでに逃げ出していた。


「マジありえないんですけど。太助助けてくれって言ったのに何でこんなことになるわけ〜?」
「ありえねーのはお前だろ。どーすんだソレ」
「言っとくけどそれは焼いても食べられませんよ」
『蒸しても食べられないからね』
「お前ら最後までそれか」


ハム子は自分を裏切った太助を背負っている。


「コイツ逃がすと彼氏なんて一生できなさそーだからか?世の中には奇跡ってのがあるんだぜ」
「そんな哀れみにみちた奇跡はいらねー」
『じゃあソレどーすんの?』
「こんなヤツに付き合えるの、私くらいしかいないでしょ…」


そう言うとハム子は太助を連れて去っていった。


「何なんだありゃあ」
「恋人というより親子みたいですね」
「あんな母親、俺ならグレるね」
『私も』


next.

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