×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -


ストレスはハゲる原因になるがストレスをためないように気を配るとそこでまたストレスがたまるので結局僕らにできることなんてない




ーーーーザッ ザッ.


『何あいつ、まさか放火魔?』


人がやって来る気配に私らは物陰へと隠れた。現れた奴はコソコソと音を出して何かしている。


「間違いねェ放火魔だ」
「何を根拠に言ってんだ?」
「まっとうに生きてる奴の身体からコソコソなんて音するわけねーだろ」ーーーーコソコソ.
「お前も出てんぞ!」
『銀ちゃんはまっとう人間じゃないから』


そのうちコソコソがゴソゴソになってきた。


「うおっコソコソだけじゃあきたらず濁点まで!恐い!もう恐いよ!」
「うるせーよ!アレ?ちょっと待てあの纏…!!」


立ち上がり辺りをキョロキョロと警戒し始めた奴の顔が見えた。


「オイオイ、ありゃオメーんとこのハゲじゃ…」
『なに?知り合い?』
「頭ァ、何でこんな所に………」


え、頭なの?まさか……。


「やっぱコレ捨てんの止めようかな…けっこー気に入ってんだよな」
「エロ本捨てに来たみてーだ」


身内に対して疑いをかけていた者として、まさかの真相にガシャンと派手に音を立てて隣でずっこけていた。その音に相手が気づいた。


「!あっ…オメッ辰巳…てめーこんな所で何やってやがんだ!!」
「オメーこそエロ本捨てにわざわざこんな所まで来てんじゃねーよ!」


バレたくなかったんだね。


「違いますぅ!俺はジャンプ捨てに来たんですぅ!!」
「ウソつくんじゃねェ!!薄っぺらいカモフラしやがって!!」


エロ本の上にジャンプって…。


「まったくよォ、こんなオッさんにだけはなりたくねーな」
「オイぃぃぃぃ!なりかけてるぞ腰のあたりまて侵食されてるぞ!!」


銀ちゃんの腰には数冊のエロ本が。せめて一冊にしろや。


「ウチは思春期のガキが多いからこーゆーの持ち込めねーんだよ」
「バカヤロー、思春期のガキにこそこーゆーものが必要なんだよ」
「お前らは社会的に必要ねーけどな!!」
「そんなことより、テメーここで何やってやがった?まさかまた余計なマネ…」
『ねェ、何で読むの?結局読んじゃうの?』
「ちょ、今話しかけんな…」


なんか本格的に読みだしたんだけど。女の前で熱中すんなよキモいよ引くよ。


「そこの君たち」
「『?』」


え、誰?顔を上げると見知らぬオッさんがいた。


「今日は燃えるゴミの日のはずだ。何ゆえエロスティックな本が捨ててあるんだ?」
「決まってるだろ、読んだら燃えるからだ」


決まってねェよ。すると何処からかパチパチと小さな弾けるような音が聞こえてきた。


「『ん?』」


音の出処を見ると、銀ちゃんの手にあったエロ本が燃えてる。え゛っ。


「わたたたたた!!」
「君はよくわかっている…ゴミの分別なんていうけどね、ゴミなんて火を点ければみんな燃えるんだ!」
「『うをっ!!』」


言いながらオッさんが瓶から零した液体は油か何かだったようで一気に火は燃え広がった。


「ややこしいルールなんていらない。ゴミなんてみんな燃やしてしまえばいいのさ」
『コイツ銀ちゃんと同じ思考回路なんだけど』
「あんなのと一緒にすんな!オイ待てコラァ!!」
「アイツが放火魔か!!」


追いかけたいが火のせいで路地から出ることができない。


「どけェェェェェェ!!」


持ってきていた辰巳の消火器で火を消し道を作った。


「『待ちやがれェェ!!』」


私と銀ちゃんはすぐさま追いかけた。


「俺から逃げられると思うなよォ!!」
『テメェちょっと着物の裾焦げたじゃねーかァァ!!』


追いかけると相手は驚き走り始めた。まあ追いかけられれば逃げるよね。でも……。


「『逃がすかァ!!』」


ブン、と木刀と扇をそれぞれ奴めがけて投げるとクリーンヒット!頭をうった相手はバタンと倒れて気絶。うっしゃ。私らはそいつを辰巳達の所へと連れて行った。しかしそこは火事現場へとなっていてなんかスゴいことに。


「早く水まわせ」
「アレ、そーいや頭どこ行ったんだ!!」


その時家の中から辰巳がジジィをもって出てきた。


「辰巳!?お前なんで…ってどこ行く!」
「はなせ!まだ中に頭がっ…」


は?ハゲが?


「もうこの火じゃ無理だ!危ねェ」


私と銀ちゃんは頷きあうと走り出した。途中銀ちゃんは人に放火魔投げ渡して。


「ちょっ…誰だよお前ら!!」
「何やってんの!!危ないって!危ないって!」


火消しの奴らの横を通って勢いよく窓を蹴破った。その勢いのせいで壁まで転がっちゃったけど。視線を走らせるとハゲは家具が身体に倒れ込んだ状態でシャボン玉を吹いていた。


「よォ…よかったな、まだ割れてねーじゃねーかシャボン玉」
『まァ、その年じゃどこまで飛べるかなんてしれたもんだけど』


私らの登場に驚くハゲ。


「アイツぁ飛ぶぜ。アンタが吹いてやりゃあな…」
「…………何なんだテメーらは」
「俺らもコレよ。誰よりも空高く飛びてェシャボン玉」


ふよふよと浮かんでいたシャボン玉は天井にあたってはじけた。





「銀さァァん!!ちょっとコレ片付けてくださいよ!!まるでゴミ屋敷じゃねーか!」


社長机の周りは本やら新聞やらでちらかっていた。


「あーーーーもうゴミの分別わかんねーからよォ。もう自堕落に…堕天使のように生きることに決めたから」
「どのへんが堕天使!?」


新八ってお母さんみたい。あんな地味な母親嫌だけど。


「新聞もこんなにたまってんじゃないスか!!ったくよォ…」
「オイオイその辺さわんじゃねーよ」
「なんで?さてはエロ本でも隠してんスか」
「新八ほっとくアル。銀ちゃんも難しい年頃なのヨ」
「オメーに言われたくねーんだよ!」


ここ数日の新聞の見出し、アイツだったからね。


next

back