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コスプレするなら心まで飾れ




…ん?ここどこ。


「こ奴らが、ぬし達の周りをかぎ回っていた連中か?」
「ええ。最近、少々こうるさくなってきたんで、網張ってたら簡単にかかりましてね」


誰だ?


「大方、天人嫌いの攘夷派の連中でしょう」


全然違います。寝転がったまんま視線だけ向ければ、いたのはカエルの天人とメガネの…あれも天人か?どっちかってもしかしてラクダさん?


「もう一人妙な侍がいましたが、そっちの方は騒いだ客と一緒に始末しましたよ」


妙な侍って…銀ちゃん?…ま、大丈夫っしょ銀ちゃんなら…多分。


「陀絡さんちょっと」
「?」
「表に妙な奴等が来てまして」
「妙な奴等?適当に処理しとけ、俺ァ今忙しいんだ」


ほら、やっぱ無事だった。でも奴等?複数形?


「オイ、その女連れてこい」
「はい」


え゛、私っすか?担がれた私は風を感じ、外へと連れ出された事が分かった。うっすらと目を開けると、ラクダさんがいた。するとソイツは襟に刀をかけると海の上へと出し、宙ぶらりん状態の私。

ちょ、落ちる落ちる!!落ちるから!!


「架珠さん!」


新八?


「オジさんはねェ。不潔な奴と仕事の邪魔をする奴が大嫌いなんだ。もうここらで邪魔な鼠を一掃したい。お前らの巣を教えろ。意地張るってんならコイツ死ぬぞ」
「なんの話だよ!!」
「とぼけんな。てめーらが攘夷志士だってのはわかってる」
「はっ!?」


見当違いィィィ!!


「てめーらのアジト教えろって言ってんだよ!!桂の野郎はどこにいんだ!!」


やっぱヅラてめーのせいかァァァァ!!


「なに言ってるアルかお前ら!」


神楽の声だ…二人して捕まったんだ。いやまあ、私も捕まったけどさ。


「僕らは攘夷志士なんかじゃないし、桂さんの居場所なんて知らない!!」


てか、知りたくない。トラブル三昧になる。


「架珠を離すアル!!」
「ここは侍の国だぞ!!お前らなんて出てけ!!」
「侍だァ?そんなもんもうこの国にゃいねっ…」
『いるよ』
「!!」


ラクダさんに向かってニカッと笑った私はぶんっと足を振り上げた。


『うるぅアアアア!!』


ーーーーゴッ.

そのままラクダさんへと蹴りをお見舞いするが、反動で私は海の上へ。


「架珠さ…!!」
「架珠ー!」
「待てェェェ!!」
『!?』


声がした方を見ると、縄にフックを引っ掛けて船の壁を走ってくる銀ちゃんの姿が。


「待て待て待て待て待て待て待てェェェ!!」


ーーーードッ.


「ふんがっ!!」


ーーーーゴオアアシャッ.

私をキャッチした銀ちゃんは船へと乗り上げた。すげーなオイ。


「…いでで、傷口ひらいちゃったよ。オイ架珠、お前ケーキ食い過ぎ」
『遠回しに重いって言ってる?』
「あのォ、面接会場はここですか?」
『シカトかよ』


てか、その格好はなに?


「こんにちは、坂田銀時です。キャプテン志望です。趣味は糖分摂取。特技は目ェ開けたまま寝れることです」
「銀さん!!」
「銀ちゃん!!」
「てめェ、生きてやがったのか」


その時凄まじい爆発音が響いた。


「!!なんだ!?」
「陀絡さん、倉庫で爆発が!!」


爆発?


「俺の用は終わったぞ」
「!」


この声って…。


「あとはお前の番だ銀時。好きに暴れるがいい。邪魔する奴は俺がのぞこう」


コンテナの上を見ると、やはりヅラがいた。…ねぇ、流行ってんのその格好?なんなのそれ。


「てめェは…桂!!」
「違〜〜〜〜〜〜〜〜う!!」


バッと飛び降りたヅラ。


「俺はキャプテンカツーラだァァァ!!」


その際爆弾を天人共に投げつけた。てか、その格好海賊だったんだ。


「てめーら終わったな」


ラクダが言う。


「完全に春雨≠敵にまわしたぞ。今に宇宙中に散らばる春雨≠ェ、てめーらを殺しにくるだろう」
「知るかよ。終わんのはてめーだ」


腰にさしてた刀を抜き、銀ちゃんはラクダへと切っ先を向けた。


「いいか…てめーらが宇宙のどこで何しよーとかまわねー。だが俺のこの剣。こいつが届く範囲は、俺の国だ」


銀ちゃんは私らの前へと出た。


「無粋に入ってきて俺のモンに触れる奴ァ、将軍だろーが宇宙海賊だろーが隕石だろーが、ブッた斬る!!」


バッと二人は同時に動き刀をふるった。


「クク。オイてめっ…便所で手ェ洗わねーわりに、けっこうキレイじゃねーか…」


そう言ってラクダは倒れた。銀ちゃんは振り向かず刀を鞘におさめた。





港におりてさあ帰ろうとした時だった。


「アーダメっスね。ホントフラフラして歩けない」
「日ぃ浴びすぎてクラクラするヨ。架珠おんぶ」


はあ〜!?


「何甘えてんだ腐れガキども。誰が一番疲れてっかわかってんのか!二日酔いのうえに身体中ボロボロでも頑張ったんだよ銀さん!」
『私だってアンタら助けようとメチャ頑張ったんだからね。肩だって撃たれたんだからね!!』
「僕らなんて少しとはいえ、ヤバイ薬かがされたんですからね!」
『つきあってらんない』
「俺ら先帰るからな」


どーせすぐ追いかけて来るだろうとさっさと歩いて行ったがいっこうに来る気配がない。……あーもー!!


『いい加減にしろよコラァァァァ!!』
「上等だ。おんぶでもなんでもしたらァ!!」


ヤケクソ気味に言えばドドドドと二人は走ってきた。


「『元気爆発じゃねーかおめーら!!』」


私は神楽を背負う。


「銀ちゃん、私ラーメン食べたくなってきたヨ」
「僕、寿司でいいですよ」
「バカヤロー誕生日以外でそんなもん食えると思うなよ!!」
『てか、誕生日でも食えないっしょ』
「うるせー…ったくよ〜。重て〜なチクショッ」


でも、この重みがいつの間にか当たり前になってきてるんだよね。


next.

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