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「#幼馴染」のBL小説を読む
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花屋とかケーキ屋の娘に男は弱い







「『ゲホゴホ』」



銀ちゃんが風邪を引き、続いて私も風邪を引き、二人揃って風邪。絶対これ銀ちゃんに移された。



「私のマミーが言ってたよ。バカはカゼひかないって。なのに何故アルカ?」



茶々入れるだけなら神楽マジどっか行け。



「何故アルカ?」

『知るか。銀ちゃんに聞け』

「ねぇ何故アルカ?」

「うるさいんだよお前はあっち行ってろ」



辛いよぉ…風邪とかいつぶりだ。



「いいた〜マスク…カッケーな。私もつけたいな〜」

「なんなんだよコイツ」



ほんっと、神楽のカッコいいの基準が謎……って。



「オイお前何やってんだ。冷えピタもうねーんだぞ」

『どーしてくれんだバカ。ほんっとバカ』

「銀サン、架珠サン、おかゆできました」



いい匂いなんだろうけど。いつもならがっつくけど。



「スイマセン。あんま食欲ないんですけど」

『右に同じ』

「食べないと治りませんよ。食べて汗かいて寝る、それが一番カゼにきくんです。なんでお前が食べて汗かいてんの?」



新八の片手鍋から直で神楽がおかゆを食べている。食べる気は無かったけど、頭からぶっかけてやろうか。



「新八、なんか私も具合悪くなってきたような気がするアル。どうしヨ、マスクしておかゆ食べないとダメかなコレ。ダメだぞコレ」

「ウソつくんじゃないよ」



鍋の中からだし。元気じゃねーか。



「んだヨ〜。二人ばっかズルイアル。おかゆ食べてマスクして、ちょっとしたパーティアル。私もカゼひきたいネ」

「バカだろお前。カゼをひけ。頭がカゼをひけ」

「カゼひいたからってあんま調子に乗んなよ天パ。私だってその気になればいつでもインフルエンザに蝕まれるネ。なめんなヨ」

「バカだよ。やっぱコイツバカだ」



マスクやるから黙ってほしい切実に。

ーーーーピンポーン.

え?客?…あ。



「あ。ヤベ、今日仕事入ってたんだ」

「ちょっと無理ですよ。40度も熱あるんですよ」

「仕事断るワケにもいかねーだろ」

『新八達に任せたら?』

「オイオイ。この寒い中カゼもひかねーバカ共に任せちゃおけねーってんだよ」

「コラ」



ん?



「待つアル。誰がバカだって?」



ムスッとした顔の神楽は銀ちゃんに待ったをかけると、銀ちゃんの着流しを着て社長椅子に。



「すいませーん」



三人の子供を連れた依頼人が、誰も出なかったからか居間までやって来た。



「オイオイ。ノックもなしにズカズカ人んちに入りこんでくるたァ、随分と不躾なお客さんだ」

「インターホン押してたよ」



そのままは飾りかボケ。



「何の用だィ?万事屋グラちゃんたァ俺のことアル」



大丈夫かよ神楽。色々と心配で銀ちゃんとこっそり襖の隙間から眺める。



「……何の用って、あの…先日、浮気調査の件でこちらに依頼をした川崎ですけれども」

「あーハイハイきいてるぜ。ぱっつぁん、茶出してやりなさい」

「神楽ちゃん。お客さんの前でその態度はないよ。ほとんど顔見えないし」

「うるせーな。なんかこんなカンジだろーがアイツは」

「銀さんはお客さんにはちゃんと対応するよ」

「女の方だよ」

「ちゃんと名前言ってあげなよ。架珠さんもそんな態度お客さんの前でとったことないでしょ」

「ハイハイぱっつぁんの言う通り〜」

「ぱっつぁんなんて言われたことないし誰も言ってないし」



確かに、机に足投げやって後頭部で手を組む神楽のその格好するけども。客前でそこまで不躾じゃねーよ。



「で…浮気調査の件なんですけど…御主人に浮気をしている疑いがあると」

「そうなの。間違いないのよ。最近、毎晩帰ってくるの遅いし、着物から女物の香水の匂いがするのよ」

「奥さん、それだけの証拠じゃ浮気とは断定できないアルナ〜。多いんですヨ〜被害妄想というか悲劇のヒロイン気取りというのか〜奥さんのような輩がね。思い込みじゃないアルかネ」

「ちょっとちょっと」



無駄に達者に言いやがる。



「ぱっつぁん、どうにも俺ァ気乗りしねーアル。パフェ食いにいっていいかィ」

「何言ってんの!?ちょっと!!銀さんっぽいけれども何言ってんの!?」



子供って親の真似がうまいよな。親ちゃうけど。



「ちょっとぉ!!昨日電話で引き受けてくれたじゃないの!話が違うわよ!」

「気にくわねーんだヨ。子供達の前で平気で父ちゃんの悪口を言うなんざ。アンタにとっちゃロクでもない旦那でも、こいつらにとっちゃ大事な父ちゃんアルぜ」



おお…。



「そ…それは」

「銀さんだ!!ちっちゃい銀さんだ!!まだ1ページ目にして説教モードだ!!」

「俺、あんなイメージなの?」

『まァ似てる』



何気にすげー。



「『あ』」



定春に戯れついていたガキどもと目が合った。うわぁ…。



「私だって子供達をこんな所に連れてきたくなかった!でも浮気の事問い質してもあの人黙ってるだけで、私、我慢できなくなって飛び出して…」



ちょ、こっち来んな!ガキどもに警戒してんのか機嫌の悪い定春までこちらの部屋に。



「別れる覚悟はできてるの!でもあの人、浮気のことも離婚のことも認めてくれなくて!!証拠が欲しいの!!あの人が浮気してるって確実な証拠が!!そうすれば…」

「悪いが御免こうむるアルぜ」



布団に勝手に乗んなよ!怠い身体を動かしてガキどもを退かす。



「こいつらから父ちゃんを奪う証拠を見つけるなんざ、俺達にゃできねーアル。さっ、行くぜぱっつぁん」

「え?どこに」



銀ちゃんの着流しじゃ長ったらしい裾を引きずって神楽は背を向ける。



「変わらぬ愛の証拠を見つけにさ」



着替えなよ神楽。



「グラさんんんんん!!」

「あ…ありがとうございます!!」



とりあえず、出かけるようなので見届けた私らは布団にのそのそと戻る。ちょ、もう限界。寝たい。



「よろしくお願いします!!」



あと布団の周り走り回ってるガキどもどうにかして。






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