どこの母ちゃんも大体同じ
「アンタらぁぁぁ!!いつまで寝てんのォ!!ホントもォォ!!」
え!?なに!?怖い!!
怒鳴り声にハイスピードで覚醒して見ると、パンチパーマのババアがいた。え、誰?
「ホラぁ、起きる!朝ご飯できたよ!」
「あー。もういいって、朝いらねーって」
「バカ言ってんじゃないの!朝ご飯は一日のエネルギーの源になるんだよ!のみもんたもTVで言ってたんだから!」
隣の銀ちゃんは布団を剥ぎ取られ足首持って引きずられてく。
「ホラ!アンタも顔洗って髪とかしておいで!大体女はね、夫よりも先に起きてご飯用意して起こしてやるのが義務ってもんだよ!」
『いやそれ夫じゃないし私嫁じゃないし』
「いーからさっさと準備しな!」
なんだこのババアうぜェ。
「ホラアンタもいつまでグダグダしてんの!」
「ちょ、もうホントマジ勘弁して…二日酔いなんだって」
「いい年こいてそんなになるまで飲むんじゃないの!シャキッとしなさい!」
「なんだヨ〜。朝からうるっさいな」
さすがの神楽も目を覚ましてきた。
「あ〜もう女の子がそんな目ヤニつけた顔で〜顔洗ってきなさい!」
「うるっさいアル。私は何者の指図もうけないネ」
「しょーがないわね。どれ、こっち向きなさい」
ーーーーぺぺッ.
げ。
「うわっ、くさっ!」
「ホラキレーになった。女の子はキレーにしないとダメ!」
今お前が汚くしたじゃねーか。ババアの唾で目ヤニ拭かれた神楽は嫌そうに袖で拭う。どんまい神楽。
「ホントにもうしょーがない子達なんだからァ。ご飯どうするの。大盛り?中盛り?」
「…じゃ中盛りで」
「何言ってんの!!そんなやせた身体で。男の子はね、ちょっと太ってる位がちょうどいいの!」
「うるせーな。じゃあハナからきくなよ」
「口答えすんじゃないの!アンタはもうホント人のアゲ足ばっかりとってェェェ!!」
うるせェェ。
「お早ようございます」
あ、新八。
「アレ?いい匂い」
「アラおはよう」
「わっ!!」
定春にエサやるババアに気づき新八は身構える。
「お…おはようございます」
「何やってんの。早くご飯食べなさい。ご飯は?中盛り?大盛り?」
「いや僕もう食べてきたんで」
「何言ってんのアンタそんな眼鏡かけてェ!しっかり食べないから目ェ悪くなるんだよ!」
「いや眼鏡関係ないでしょ」
「口答えすんじゃないの!アンタはもうホント人のアゲ足ばっかりとってェェェ!!」
理不尽すぎる。
「残さず食べるんだよ。ちょっとゴミ捨ててくるから」
そう言って部屋からババアは出て行った。
「銀さん」
「あ」
ババアがいなくなって、用意されたご飯を食べつつ口を開く。
「誰ですか。アレ」
「アレだろ。母ちゃんだろ」
やっぱ母ちゃんだよなアレ。
「え?銀さんの?」
「いやいや、俺家族いねーから。オメーのだろ。スイマセンね、なんか」
「言っとくけど僕も母さんは物心つく前に死にました。じゃあ架珠さん?」
『アレが母親なら私の心は荒んでいるよ。神楽でしょ』
「私のマミーもっとべっぴんアル。それに今は星になったヨ」
あれ?じゃあ誰?
「もの食べながらしゃべるんじゃないの!」
「あ。スンマセン」
戸を開けて一喝したババア。お前ゴミ捨ては?
「ちゃんとかむんだよ!二十回かんでからのみこみな!」
そしてまたいなくなった。
「「「『………1、2、3、4…』」」」
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