×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -


僕が僕であるために







ーーーーガチャ.



「2時17分。公務執行妨害で逮捕」



後部座席で四人仲良く手錠かけられた。

え、マジで?



「そりゃーないんじゃないの!?公務執行妨害って俺達が何したってよ?」

「うるせェェェ!!パレードの邪魔しただろーが!!」



邪魔とか人聞きの悪い!私らは抗議しようと後部座席から前のめりに出る。



「きけって。だからそれはさ、お通ちゃんに頼まれて」

『私らが自ら進んでお前らの手伝いなんかするわけないでしょーが』

「手伝いってお前あんなモン邪魔以外何モンでもねーよ!」

「今度一日局長やる事になったから協力して欲しいって、お通ちゃん個人に雇われたんです!」

『マスコットのデザインだってアレ、お通がお前らをイメージして考えたんだぞ』

「いい娘だよありゃ。たった一日のために自腹で俺達雇ったんだから」

「その気持ちをお前らは踏みにじったアル!」

「お前らが踏みにじったの!!」



ゴリラにまで怒鳴られたちくしょう。



「もういいからちょっとお通ちゃんに会わせて下さいよ!埒があかない!」

「そうだ局長に会わせろコラ!今日一日はお前はただの無力なゴリラだろーが」

「無力なゴリラなんて存在しません〜。お前ゴリラの握力ハンパねーんだぞ!」

『いーから局長連れてこい!』



マジで埒があかねー。



「チッ…オイ総悟、一日局長は?」

「それが…先程からとんと姿が見えやせんぜ。どこ行っちまったんだ…」



外で待機していた沖田クンが辺りを見渡す。



「察しろよ。女の子が黙っていなくなるといったらウンコ的なものに決まってるだろ。さらっと流せ。そんなんだからお前達はモテないんだ」

「そうか。アンタがモテない理由がわかった」



残念だなゴリラ。



「失礼なことを言うなっ!!お通ちゃんはオナラもしないしウンコもしない!!全部カワイイ卵で出てくるんだ!!うずらみたいな」

「それで純情が保たれたと思ってんの!?かえって卑猥だぞ!」



新八も残念だな。



「アイドルだってオナラもするしウンコもするんだよ。現実を直視して生きろバカ者!」

「じゃアンタは姉上もオナラをするというのか!」

「当たり前だ!おれはそーいう所も受け止めている!ただしお妙さんの場合ピンクの煙が出てきます」

「現実見えてねーのはテメーだろ!!」



もーどっちもキモいよ。

ーーーーピルルル.



「ハイ。なんだ山崎か。今忙しい切るぞ」



電話相手はジミーだった様子。



「…山崎ですかィ。確か連続婦女誘拐の方洗ってんでしたっけ。お通ちゃんのサイン欲しがってましたぜ」

「心配いらねー、俺が書いておいた」



色紙にはおつうと捻りも何もない三文字が書かれてあった。バレるよそれ。



「それよりあの小娘どこ行ったんだ?」

「案外お通ちゃんも目離したスキにさらわれちまったんじゃないですかィ?不思議とあの事件、真選組の管轄でばかり起きがるんでさァ」

「冗談じゃねーよ。俺達の目の前でんな事が起きたら今度こそ真選組はおしまいだ。小便かなんかだろ」

「近藤さんと変わりゃしねーや。だからアンタらモテねーんですよ」

「じゃあお前はなんだってんだ?」

「あの日でさァ」

「…今度合コンでもやるか」

「副長ォォいました!」



ん?



「あそこ!!」



部下の声に窓から顔を出す。



《諸君は本当に真選組がこの江戸の平和を護るに足る存在だと思うか!?否!!奴らは脆弱でただ税金を無駄に消費する怠け者である!》



街頭テレビから大きな声が響く。



《その証拠に我等は奴等の前から容易く一日局長を拉致することに成功した!ここに居並ぶ少女たち、そして、この寺門通が奴等の無能ぶりを示す何よりの証拠である!》



リーダー格らしき男の隣には縛られたお通の姿。



《真選組はカスである!そしてこれを従える幕府もカスだ!この世界は腐り切っている!!それを我等で変えようではないか!》



マジでか。







back