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「じゃあ、ここで見つけたっていうの?」
なんか知らんがいちご牛乳で打ち解けてはないけど成功したエリザベスの話を聞いて、私らは川にかかる橋まで来た。
「それ」
口の中から、エリザベスが取り出したもの。
「血染めの所持品…おまけにここ数日桂さんの姿を見てないなんて。どうしてもっと早く言わなかったんだエリザベス」
「[最近巷で辻斬りが横行している。もしかしたら…]」
相変わらず喋んないな、エリザベス。
「…エリザベス、君が一番わかってるだろ。桂さんはその辺の辻斬りなんかに負ける人じゃない。ですよね、架珠さん」
『そりゃあねェ……でもまあ、何かしらのトラブルに巻き込まれたのは確かでしょ』
こんな血に染まった所持品なんかあったらさ。
「早く見つけ出さないと、大変なことになるかも」
「[もう手遅れかも…]」
涙を浮かべてエリザベスがプレートを見せた。
ーーーードゴッ.
「バカヤロォォ!!」
「[ぐはっ!!]」
ーーーードシャアアア.
「お前が信じないで誰が桂さんを信じるんだ!」
いきなりエリザベスに右ストレートを喰らわした新八。青春ドラマ?
「お前が前に悪徳奉行に捕まった時はなァ、桂さんはどんなになっても諦めなかったぞ!!」
エリザベスの胸ぐらを新八は掴む。どうした新八、急に熱くなって。
「今お前にできることはなんだ!?桂さんのためにできることはなんだァ。言ってみろ!言えェェ!!」
いやエリザベス喋んな…。
「ってーな。離せよミンチにすんぞ」
…………喋った…。
「……………すいまっせ〜ん」
恐えーよ、エリザベス。
「架珠、どーするアルか?」
『んー…とりあえず、情報が血染めの所持品ってだけだしねェ』
「じゃあ、私は定春といろいろ捜してみるアル」
『おー』
定春に血染めの所持品の臭いを嗅がせた神楽は、走り出した定春と共に早速動いた。頼もしいな。
『新八ィ。私もヅラの行方とか調べてみっから、新八はエリザベスと一緒に辻斬りの方を重点的に調べて』
ちらりと、新八がエリザベスを見ると、エリザベスはペッと新八の足下に唾を吐き捨てた。
「…………」
うわァ…。助けを求めるような新八の眼差しは無視して、私もその場を後にした。
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