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「で、なんでお前がこんな所にいんだ?どーいうことだコレは」
改めてさっちゃんから話を聞くことに。
「私の事が知りたいの坊や?だったら焦っちゃダメ。女を知りたいんならじっくり、そして優しく一枚一枚…」
「あーじゃあもういいわ」
「いや、あのもうちょっと続きあんだけど」
「いや、もういいってメンドくせーから」
うん、ホントもういいから帰れ。てか、仕事しろよ仕事。
『もうさ、帰っていい?後で新八達も来ることだし』
「いやコイツと俺を二人きりにすんな。俺を見捨てんな」
『痔がいるからいいじゃん』
「こんなの何もよくねーよ」
「も〜ぎっちゃんたらァ。いっつもそんな無愛想なんだからァ」
「あ?」
ぎっちゃん?なんか変なこと言い始めた。
「そんなんじゃさっちゃん、違う人の所に行っちゃうゾv」
ゾとか…なんかイラッとくる。コイツが使ってるからか。
「どこにでもいけよ。あ、ついでに売店でジャンプ買ってきて」
「モスクワにいっちゃうゾ。南ちゃんなのに北にいっちゃうゾ」
「モスクワジャンプ売ってねーだろ」
『南ちゃんじゃないじゃん。アンタさっちゃんじゃん』
なんで南ちゃん?
「実はァ、病院のご飯はおいしくないと思って南…じゃねーや、さっちゃん手料理をつくってきたのでした〜。食べたい?どうしよっかな〜あげよっかな〜」
「なんかわかんないけどブッ飛ばしたいんたけどコイツ」
『みーとぅー』
マジコイツ意味わからん。
「じゃーん、なんとオデンなのでした〜」
なのでした〜。じゃねーよ。
「あづァづァづァづァづァ!!なんでよりによって動けねー時にアツアツのオデン!?それもガンモ!?」
テレビで見た光景。
「家庭的な味にうえてると思ったんだゾv」
「ゾの使い方がおかしくなってきてんぞ!」
「他の患者さんには内緒たゾv」
「あ〜あ。見〜ちゃった。ナース長に言っちゃおっかな〜」
面白半分に茶化した痔のにーちゃんは、ケツにちくわをぶち込まれた。
「それじゃぎっちゃん、ちょっと横になってくれる?」
おいにーちゃん、大丈夫か?
「包帯を新しいのに代えるんだゾ」
「いや、いいって。さっきナース長にやってもらったから」
「架珠さんは、カーテンの外に出てるんだゾ」
「いや、待って。お前と二人きりとかホント勘弁」
押し出されてカーテンが閉め切られた。銀ちゃん、大丈夫かな。
「照れなくてもいいんだゾv」
「いいっつってんだろいだだだだ!!架珠助けてェェェ!!」
『銀ちゃん!?』
「ああもォ〜ぎっちゃん動かないでゾ」
『だからゾの使い方おかしいんだよ!』
切羽詰まった声に慌ててカーテンを開けると、さっちゃんの体はベッドの上で亀甲縛りで拘束されていた。
「もォ〜ぎっちゃんが動くからこんなになっちまったゾv」
「『どう動いたらそんな事になんだ!!』」
「っていうか自分で縛ったのそれスゴクね!?」
さすがドM…怖ェよ。
「さっちゃんはぎっちゃんのそーいう何者にも縛られないところけっこう好きだゾ。でも、やっぱりケガが心配だから…ちゃんと縛るんだゾ!!」
「いだだだだだだ!!何しやがるんだァァァァ」
『ナース長ォォ助けてェェェ!!ヘルプミぃぃぃぃ』
天井から吊り下げられる銀ちゃんを助けようとするけど、これどーなってんの!?
「う゛う゛。待ってろ、今スグナース長を…」
ナースコールしようとしたにーちゃんは、ケツにろうそくぶち込まれた。
「それじゃあ私ちょっと売店いってくるけど、なんだっけ、サンデー買ってくればいいのよね。じゃ待ってて」
ルンルン気分で、さっちゃんはやっと病室からいなくなった。
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