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「はァァァァァァァ!?将軍のペットぉぉ!?」
マジでか。あのカブトムシがか。
「そうだよ」
「俺達は幕府の命により、将軍様の愛玩ペット、「瑠璃丸」を捕獲しにきたんだ」
バカンスじゃなかったのか。
「どうりでおかしいと思いましたよ」
「オイオイ、たかが虫のためにこんな所まで来たの?大変ですね〜お役人様も」
『たかが虫のためにお疲れ様で〜す』
「だから言いたくなかったんだ」
「まァまァ、事ここまでにおよんだんだ。こいつらにも協力してもらおう」
はァ?
『協力だって?今そのロリ丸は私ら一派の手の内にあるんだよ』
「瑠璃丸だ」
「こいつはとり引きだ。ポリ丸を返してほしいなら、それ相応の頼み方ってのがあんだろ」
「瑠璃丸だ」
どっちでもいいじゃん。
「六割だ。そいつをつかまえた暁には、お前らも色々もらえんだろ?その内六割で手を打ってやる」
「だから言いたくなかったんだ」
「俺もそう思う」
否定しないってことは…。
「よし、決まりだ。架珠、新八、こいつァしばらく家賃の心配しなくてよさそーだぜ」
「そうですね!」
『うっしゃ!』
「ブワハハハハ、ハハ…ハ…」
……崖の上に決闘しますって空気の二人を発見。
「総悟!?」
『神楽も一緒だ』
「アレ?何やってんの?嫌な予感がするんですけど」
二人に色々呼びかけるけど、全然二人の耳には入っちゃない。集中して周りが見えないとかガキか。ああガキか。
「いざ、尋常に勝負アル!!」
い゛っ!?
「ちょっとォォォ!!カブト相撲やるつもりですよっ!」
「神楽ァ、きけェ!そいつは将軍のペットだ!傷つけたらエライことになるぞ!」
『切腹モンだよ!切腹モン!』
ねーちょっとはこっちの話を聞こうかァ!
「トシィ!!」
「まァ待て。総悟が勝てば労せず瑠璃丸が手に入る。ここは奴に任せよう。総悟も全て計算ずくで、話に乗ってるんだろう。手荒なマネはしねーよ。そこまでバカな奴じゃねェ」
チッ。神楽が負けたら報酬の六割が…でも、下手してカブトムシに傷つけたら…。
「凶悪肉食怪虫カブトーンキング」
沖田クンの隣には、定春よりもデカイカブトムシ。
「サド丸22号に勝てるかな?」
そこまでバカなんですけどォォ!!「おいィィィィィ!!ちょっと待てェェェェ!お…お前、そんなもんで相撲とったら瑠璃丸がどうなると思ってんだァ!?」
「粉々にしてやるぜィ」
「そう!粉々になっちゃうから神楽ちゃん!定春29号粉々になっちゃうよ!」
「ケンカはガタイじゃねェ!度胸じゃー!!」
『度胸があんのはアンタだけだから!ボンボンなんだよ、ロリ丸は将軍に甘やかされて育てられたただのボンボンなの!』
「瑠璃丸っつってんだろ!」
「止めねば!早く二人を止めねば!」
「無理ィ!!こんなガケあがれませんよ!」
めっちゃ急斜面じゃん!
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