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ミルクは人肌の温度で




あー…気持ち悪い…調子乗って飲みすぎた…。フラフラと朝方に万事屋までやっと帰って来たけどさ、階段上るのもダルいよ。死にそう…。


「あぶ〜」
『!』


あぶ〜?


「ばぶー」


階段に足をかけたところで聞こえた赤ん坊の声。下を見ると、銀ちゃんそっくりの赤ん坊がいた。


『………なんだろ、飲みすぎたかな』


ぐしぐしと目をこすっても、ふてぶてしい風貌といい、何よりの天パーといい、銀ちゃんそっくりな赤ん坊だ。よく見ると置き手紙もある。そこには「あなたの子供です。責任とって育ててください。私はもう疲れました」とあった。

…おいおい、マジかよ銀ちゃん。


「神楽は……逆にやられそうだな。ん」


あ、銀ちゃん。


「んだお前、今頃帰ったのかよ。朝帰りとか随分なごみぶ………」


赤ん坊に気付いたらしい銀ちゃんは口を閉じると、何も言わず去って行った。と、思ったら戻ってきた。


「………………いやナイ。ナイなこれはナイ」
『あなたの子供だって』
「あなたって誰だよ。名指ししろ分りやすく。ったく、バカ言ってんじゃねーっつーの」


また去って行ったかと思うと、また戻ってきた。


「………………いやいやいやいや、ナイって。アレはアレだったからウン大丈夫これはナイ」


アレだったからってなに?んでまた戻ってくるし。


「ナイナイナイナイナイナイって!これはナイって!!だってアレだもん!アレはなんやかんやで色々あって総合するとナイ!これはナイって!」


おい鼻ほじりすぎて鼻血出てるぞ。冷や汗もハンパねーし。


「だァから…」


また戻ってきて叫ぶ銀ちゃんに切れた。


「『朝からガタガタうるせェェェ!!』」


店先から飛び出してきたお登勢さんと共に銀ちゃんを蹴り飛ばした。

あああ頭に響いた頭痛ェェェ。



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