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お母さんだって忙しいんだから夕飯のメニューに文句つけるのやめなさい




「韋駄天の剛!!」
「毘沙門天の修輪!!」
「弁財天、薫よん」
「広目天、松尾!!」
「摩利支天、服部全蔵」


ーーーードォン.


「五人あわせてフリーター戦隊、シノビ5」


………バカじゃねーのこいつら。


「ワーハッハッハッ。カーツラァァ!!いや、ロクニンジャーよ。年貢の納め時だな!」


あ、お奉行。


「シノビ5はいずれもお庭番をつとめていた猛者達ばかり!貴様らがひっくり返っても勝てる相手ではない!」


お奉行めっちゃ悪役に向いてんな。


「カワイイエリザベスちゃんの目の前でくち果てるがいい」
「エリザベスぅ!!」


ーーーーガシン.


「!!」
「銀さん!架珠さん!」


室内が鉄格子により半分に別れた。あっちには神楽、新八、ヅラの三人が。いやでも、あんな雑魚キャラにあいつらは負けないっしょ。


「てめーは俺が相手だ」


ん?


「ジャンプ侍ィィィ!!」


うお!?

さっちゃんの元同僚がいきなり銀ちゃんに木刀を振りかざしたが、銀ちゃんはそれを防ぐ。

てかいきなりだなこの兄ちゃん!!


「まさかこんな所で会えるとはなァ。てめーのおかげで俺ァなァ、ジャンプ読む度にてめーの顔がチラついて、イライラして読書できなくなっちまったんだよォ」


まさかの知り合いかよ銀ちゃん。


「待て待て……えーと、ジャンプ、ジャンプ…あっ!アレだ!ジャンプ借りたっきり返してなかった磯村君?待てあれは架珠が犯人だよ」
『マジかよ。ごめんって磯村君。あ、今週号あげちゃうから許して!』
「服部っていってんだろーが!!あとなんでこのジャンプカレーまみれなんだ。読めねーだろーがァ!」


投げつけたジャンプを避けながら兄ちゃんが叫ぶ。あーなんか服部って名乗ってたな。あったよね、そんなアニメ…ハットリくん?


「つか、お前何!?まさか俺のこと忘れたのかァ!!」
「ワリーな。男の顔覚えるのは得意じゃねーんだ」
『しっかりしてよ銀ちゃん』
「お前も会ってんぞ!」


知らね。


「だったら俺も覚えてねェ!お前らなんかしらねェ!!」
「じゃあ闘り合う理由もねーだろ」
「うるせェェ覚えてねーけどなんか腹立つんだよォ!!」


なんて理不尽な。


「銀サン気をつけて。その人はホントに危…」
「気をつけるのはアナタよん」
「!」


飛んできた薔薇をさっちゃんは軽やかな身のこなしで避けた。やっぱ変態でも伊達に忍者してねーな。


「フフ。流石だわん、その身のこなし。まさしく猿…」


おいやめろその喋り方イラッとする。


「アラ、ごめんなさい。さっちゃんって呼ばなきゃいけなかったんだっけ、お猿さん?」
「アナタ…忍者学校のマドンナ、脇薫さん?ごめんなさい。ケバくてわからなかったわ」


ホントにケバいな。

こっちがあれこれしてる最中に向こうの方はあっという間に片付いたようだ。


「おっ…おいィィィ!!何やってんだてめーらァァ!!服部どーいうことだ。最強の五人じゃなかったのか!?」


ごめんお奉行今忙しい。


「ちげーよ、ペガサス流星斬はここから始まってだな」
『そうじゃないってば!右手と左手が羽ばたいて…』
「アレはペガサス座の軌跡を描いてんだよ。お前らのメチャクチャだろ」
「服部ィィィてめっ、何やってんだァァ!!中学生の休み時間かァァ!!」


こいつらと話してたんじゃ埒が明かん。


「お奉行、昔ジャンプでやってた聖侍星矢の技!アレ、こうですよね?」
『違いますよね!?私のが合ってますよね!』
「お奉行!!ガツンと言ってやって、バカだコイツら。バカ!」
「三人ともバカだろーが!!ちなみにあの技はこうだ!アニメ全部録画してた!」


ああ、あーなるのか。


「アンタさァ、学校で一部の男子に人気あったけど、なんかみんなキモかったわよね。眼鏡萌えとか」
「脇さん、アナタの親友の関さんいるじゃない。あの人陰であなたの悪口言ってたわよ」
「てめーらは何女特有の陰険な戦いしてんだァァ!!」


混ざりたくねェなアレ。どこの世界にもあるもんだよアレは。


「架珠サン!!早く決着つけないと神楽ちゃんが、ヒロイン史上最低の暴挙に!」
『なに?神楽どーしたのさ』


腹おさえて冷や汗ヤバイぞ。


「下剤入りカレー食べて限界寸前なんですよ」
『おいマジかよ。銀ちゃん』
「なんかイマイチ、モチベーションがなァ…エリザベスがどうなろうが神楽がもらそうがどーでもよくてよォ」
「白髪ァァ!てめー、私が復活したあかつきには目の前でウンコしてやるからな!」


最悪だなそれ。


「リーダーおちつけ。いいか、俺の呼吸に合わせろ。ヒッヒッフー、ヒッヒッフー」
「出るぅぅぅ!!それ出る方のやつぅぅ!!」


神楽それヤバイよマジで。


「外野がうるさくなってきたな。そろそろ決着つけるとするか」
「そうだな」


さっちゃん達取っ組み合いのケンカ始めてるよ。


「てめーとはヤケに話があうな。もっと違う出会い方したかったもんだぜ」
「いやだから、前に違う会い方してるって言ってんだろーが!!」
「!!」


なんだ!?

いきなりハットリくんを煙幕が包み込む。


『!?消えた!?』
「一体どこに!?」
「銀さんあぶない!!」
「!!」


さっちゃんの声の直後、銀ちゃんの足下からクナイが。


「床下か。こざかしい…」
『?』


なんだ?なんか、甘ったるい匂いが…。


「ホーホホホ。私のバラの香りはどう?」


!身体が動かない!?


「忍法「呪縛旋花」。私の毒バラの香りをかいだ者は身動き一つとれなくなるわよん!さァ、今よん全蔵!とどめをさしなさい。ホーホホホ!」


銀ちゃんが舌打ちした時だった。バラの香りに紛れて、なんか、臭い…つか、これ、納豆の臭い?


「猿ぅぅ!!」


なんかブツブツ唱えながら納豆を練り続けるさっちゃん。

なんで動けて…まさか、納豆の臭いで!?


「忍法ねば〜ぎぶあっぷ!!よみがえれェェェ!銀さん!!」


ねばっこい納豆の塊をさっちゃんが投げた時、床下からハットリくんが飛び出した。


「死ねェェェ!ジャンプ侍!!」


振り向き、ニヤリと笑った銀ちゃんの顔には納豆。あれじゃバラの匂いは効かないな。


「死ぬのは…てめーだァァァァ!!」


おもっくそハットリくんのケツ狙って木刀を突きつけた銀ちゃん。床転がってハットリくんは飛んで行った。


「全蔵!全蔵ォォ!!」


あ、身体動く。


「ひどいじゃない!全蔵はね、痔を患ってるのよォ!」


知るかよ。

ーーーーバン.

さっちゃんと共に女の顔面に納豆とジャンプぶつけて、これで苛立ちもスッキリし全員倒した。


「バ、バカな。シノビ5が…そんなバカな…ん」


ーーーードゴォン.


「ぎゃあああああ!!」


鉄格子破壊してその片鱗をお奉行へと投げ飛ばした神楽は、辺りを破壊しながら猛スピードでいなくなった。


『あー、トイレ?』
「間にあえばいいですけど、神楽ちゃん」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」


うっせーなんだよ。


「エリ…エリザベスぅぅ!!」


あらら。鉄格子がおもっくそぶっささってんね。


「なんてこったァァ!!エリザベスがァァァ!!ひどい!ひどいぞォォォ!!そんな…アレだ…ひどいぞォォ!!」


テンパりすぎだろマジうるせー!


「?なァ、ヅラ。アレおかしくねーか。中から綿みてーのが」


え?言われて見ると、確かに。


「あっ、ホントだ。それに血とか何も出てませんよ」
『一応生物だし、おかしいね』
「あり?」
「だから言っただろう」


ハットリくん生きてたのか。


「ここにはエリザベスちゃんはいねーって。最初からエリザベスちゃんなんていねーんだよ」


どゆこと?


「まだわかんないの?あのオッさんはなァ、桂、お前の首とるために、わざわざあんな人形をつくってお前をおびき出したんだよ。お前らだまされてたんだよ。ププッ」


は?


「ヅラ君ヅラ君。どーいうこと?」
「……そういえば、前日に蕎麦のお揚げとりあって喧嘩したの忘れてた」


あ゛あ゛?


『お前それただケンカして出てっただけじゃねーか!!』
「ふざけんじゃねェェェ今までの苦労を返せェェェェ!!」


キレた私らは思う存分ヅラをいたぶって病院送りにした。

マジもう二度と現れんなヅラ。


next.

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