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ペットは飼主が責任を持って最後まで面倒を見ましょう




「知るかボケェェェ!!金がねーなら腎臓なり金玉なり売って金つくらんかいクソったりゃー!!」
「家賃如きでうるせーよウンコババア!!こないだアレ…ビデオ直してやったろ!」
『アレでチャラでいいじゃん!!丸二日寝ずに頑張ったんだよ?』
「いいわけねーだろ!五ヶ月分の家賃だぞ!!丸二日分引いたって三ヶ月分もあるんだぞ!!大体あのビデオまた壊れて鬼平犯科帳<Rンプリート失敗しちまったわい!!」
『バカヤロー諦めんな!』
「きっとまた再放送するさ!!」
「んなこたァいいから家賃よこせっつーんだよこの天然パーマメントに幼児体型!!」
「んだコラァお前に天然パーマの苦しみがわかるか!!」
『私のどこが幼児体型だシワの塊のババアが!!』


――――カンカン


「ハァ〜〜〜〜〜。またやってんのか…………ちょっと…アンタらいい加減」


―――――ぶわっ


「「『!!』」」


ぎゃあああああ!!





あ゛〜…あのババア思いっ切り投げ飛ばしやがって。あの年で成人した大人を二人いっぺんに投げ飛ばすとか何者!?

私と銀ちゃんを投げ飛ばしたのは大家のお登勢さん。見事に私らは階段をあがってきていた新八とぶつかった。しかもその隙に勝手に金を持ってかれた。


「どーすんスか。生活費までひっぱがされて…」


向かいのソファーに座っていた新八がお茶を注ぎながら言う。気が利くことに私にも容れてくれた。


「今月の僕の給料、ちゃんと出るんでしょーね。頼みますよ。僕んちの家計だってキツいんだから」
『なら仕事をやろうじゃないか』
「ホントですか!?」
『ね、銀ちゃん』


私は新八から社長イスに座る銀ちゃんへと視線を向ける。


「腎臓ってよォ、二つもあんの、なんか邪魔じゃない?」
「売らんぞォォ!!何二人して恐ろしー事考えてんだ!!」
『まあまあ。そうカリカリしないの』
「そうそう。金はなァ、がっつく奴の所には入ってこねーもんさ」


だから私らの所には金がないんだろーけどね。


「ウチ、姉上が今度はスナックで働き始めて、寝る間も惜しんで頑張ってるんスよ…」
「アリ?映りワリーな」
『叩いてみれば?』
「ちょっと!きーてんのアンタら?」


さっきまで見れてたのに…もうこのテレビともさよならの時が近いのか。


「オ……はいった」


映った番組はニュースだった。


《――――現在謎の生物は新宿方面へ向かっていると思われます。ご近所にお住まいの方は速やかに避難することを…》
「オイオイ。またターミナルから宇宙生物(えいりあん)侵入か?最近多いねェ」
『先週もこんなのあったよねェ』
「宇宙生物より今はどーやって生計たてるかの方が問題スよ」


――――ピンポーン


「「『?』」」


インターホンの音に反応して玄関へと走り出す。


「『金ならもうねーって言ってんだろーが腐れババア!!』」


怒鳴りながらドアごと銀ちゃんと私は外にいた人物へと跳び蹴りをした。だって絶対お登勢さんだと思ったんだもん。明らかに五ヶ月分もお金は無かったから。


「『あれ?』」


でも、顎に銀ちゃん、腹部に私の足をくらったのはお登勢さんではなくグラサンかけた知らないオッサンだった。

――――ドサッ


「局長ォォ!!」
「貴様らァァ!!何をするかァァ!!」


銀ちゃんと顔を見合わせる。あちゃー。


「スンマセン間違えました。出直してきます」
「待てェェェ!!」


―――――カチャ

先に中へと入っていた私は振り返り驚いた。銀ちゃんの後頭部に銃口が突きつけられていたのだ。


「貴様が万事屋だな。我々と一緒に来てもらおう」
「…わりーな。知らねー人にはついていくなって母ちゃんに言われてんだ」


皆もついてっちゃダメだよ〜。


「幕府(おかみ)の言う事には逆らうなとも教わらなかったか」


…は?


「オメーら幕府の…!?」
「入国管理局の者だ。アンタに仕事の依頼に来た、万事屋さん」


鼻血出してるからかっこつかないよオッサン。とりあえずついて行く事になって、私らは豪華な広々とした車に乗り込んだ。


「入国管理局の長谷川泰三っていったら、天人の出入国の一切を取り締まってる幕府の重鎮スよ」
『そーなの?そんなのが何の用なのさ』
「何の用ですかおじさん」


鼻ほじりながらとか舐めてんな銀ちゃん。


「万事屋つったっけ?金さえ積めば何でもやってくれる奴がいるってきいてさ。ちょっと仕事頼みたくてね」
「仕事だァ?幕府(てめーら)仕事なんてしてたのか。街、見てみろ。天人どもが好き勝手やってるぜ」
『現に新八虎に虐められてたよね』
「架珠さん、人の傷ほじくり返さないでください…」
「んで、俺にどうしろっての」
「実はな、今幕府は外交上の問題で国を左右する程の危機を迎えてるんだ。央国星の皇子が今地球に滞在してるんだが、その皇子がちょっと問題を抱えていてな…それが…」



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