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夜エリザベスの病室へと行けば、そこにはお茶を飲むヅラの姿が。


「石橋を叩いて渡る程度では、今の物騒な世の中渡っていけんぞ。石橋はバズーカで撃って渡れ」
「…うむ。若いのになかなかいい心がけだ」
「!」


拝借した瓶底メガネに白衣で変装した私ら。いきなり現れた私らにヅラとエリザベスが驚きながら視線を向ける。


「でも、まだ甘いな。なァ長谷川君。ババアがつくる卵焼きより甘いな。なァ長谷川君」
「そーですね先生」
「石橋をバズーカで破壊した後隣のコンクリでできた橋をジェット機で渡るぐらいじゃないと。なァ田城君」
『先生、もう意味わかりません』


結局石橋破壊すんのかよ。


「…ということでどーですかお兄さん。健康診断とか受けてみない?」


断ろうが、連れて行くけどな。


「オイ離せ」


嫌がるヅラを私らは無理矢理診察室に連れてきた。


「結構だといっているだろう。俺は自らの身体をかえりみている暇などない。国の病を治すのが俺の役目だ」
「なーにいってんのお兄さん。テメーの健康管理できねー奴に国をどうこうできるかねバッキャロー。おい、田城君」
『ちょっとコレみてください…』


私はそのへんから勝手に拝借した脳の写真を取り出す。


『コレ、さっき撮った貴方の脳の写真なんですけどね』
「そんなもの撮った覚えはないぞ」
『さっき撮ったんだよパシャリと。ねェ長谷川さん』
「パシャリって何だ。そんなスナック感覚で撮れるものなのか長谷川君」


つべこべ言うなよ。


「ここ見てくれここ。怪しい黒点が見えるだろ…あれ?」
「オイ黒点がのびたぞ、どうゆうことだ」


神楽の奴水性マジックで描きやがったな。慌てて銀ちゃんは神楽に詰め寄る。


「てめっ、油性で描けっていったろーが」
「先生やめてください。患者達の間で噂になってますよ、私達デきてるって」
「帰る」
「まままままおちついて」


立ち上がったヅラを新八が焦りながらおさえる。


「あの…このマジックはアナタの脳の異変をわかりやすく図示しただけです!!アナタ今頭ん中とんでもないことになってますよ!!」
『そーだよお兄さん。このまま放っておけば近日中に間違いなく頭が、あの…アレ…パーンってなりますよ。ねェ、長谷川君』
「そうですよ。速やかに入院しないとアナタ、パーンですよ」


隣で新八がなにそれとか言ってるけどムシ。他に理由出ないから。


「……頭パーンだと。ふざけるのも大概にするがいい」


ヤバイ!!ばれたか!?


「国を救う大仕事を前にたおれてたまるか。なんとか治してくれ!!」


…あ。バカだコイツ。私らの心が一つになった。


「だ…大丈夫です。入院すれば簡単に治りますから」
「入院などしてる暇はない。荒療治で結構だから、スグ治してくれ」
「しょうがねー兄ちゃんだな、死んでもしらんよ。神楽坂君、アレを用意したまえ」
「わかんねーヨ」
「いいから適当に用意しろっつってんだよ。殺すぞ神楽坂君」


医者役がさらりとなんつーこと言ってんだ。


「じゃあとりあえずゼントゲンとるからこっち来て」
『先生、レントゲンだと思いますけど。ゼントゲンって何ですか』
「ゼントゲン?ゼントゲンって何だ長谷川君」
「しるかァァァ!!自分の言葉に責任もて!!」
「まァアレだ。病巣を叩く強力なマシーンだ。とりあえずマシーンの中に入れ」
「どれがマシーン!?まさかアレかァァ!?」


銀ちゃんが示す先にいる神楽が持ってるのは神オムツの空箱。もっと他になかったの!?


「いいから入れっつってんだヨ!!ほァたァァァ!!」
「ぐはっ!!」
「オラ今だ!しばらく退院できねー身体にしてやれェェ!!」


無理矢理ヅラに箱をかぶせて日頃の鬱憤払いもかねいざ殺ろうとした時だった。


「ぐェぶ!!」


銀ちゃんが現れたエリザベスに蹴り飛ばされた。


「銀時ィ!!」
「げっ」
「貴様ァ、こんな所で何をしている!!」


チッ、バレたか。こうなりゃ力ずくだと私らは一斉に襲いかかった。


『ヅラァァァ!!黙ってくたばれェェェ!』
「血迷ったか貴様ら!返り討ちにしてくれる!!」


さすがに互いに暴れまくれば病院側も気づき、私らは傷だらけのまま説教された。それから私らは乱闘により怪我が増え入院がのひてしまったが、見事ヅラはなんか看護婦にボコボコにされて入院。これであとはウッチー次第だとか言っていれば、マダオが衝撃的な事を言った。


「…内野さん告白したらしーよ。患者達が大騒ぎしてらァ、僕らのウッチーに彼氏ができちゃったって」


え。


「い゛い゛い゛い゛い゛マジでェェ」
「一度諦めたところに舞いこんだチャンスにいてもたってもいられなくなったんだ」
「マジかよ。あのヅラがね〜」
「あー、見ろ。ホレホレ」


噂をすればとやらで、屋上から見下ろせば木々の隙間からウッチーが出てきた。


『まァ〜楽しそうにしちゃって』
「いや〜若いってのはい……………」


ウッチーと手をつなぎ出てきたのはヅラなんかじゃなく、エリザベスだった。


「………なんですかアレ」
「まっすぐな目をした違う世界を生きる彼氏アルヨ」
『白い化け物ペンギンみたいな物体にしか私には見えない』
「…あー、なるほど。そーゆーこと…ハイせーの」


一斉にずっこける私らだったら。



next.

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