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3




部屋から飛び出し襖を開け放つ。


『!お妙』


そこにはお妙がおり、なんと部屋にはパトカーが艇を突き破っていた。え、何?役人?


「あかんでコレパトカーやん!!役人が嗅ぎつけて来よったんか!!」
「安心しなァ。コイツはただのレンタカーだ」
「「「!!」」」


お、やっぱり来た。


「どーも、万事屋でーす。ウチの従業員引き取りに来ましたー」
「姉上ェェ!!まだパンツははいてますか!!」
「…新ちゃん!!」
「おのれら何さらしてくれとんじゃー!!」


私は新八とキノコが話している間に銀ちゃんの側に行く。


『ねェ、このパトカーなに?』
「言っただろ。レンタカーだって」


いやいやいや嘘だろ。パトカーのレンタカーとかどこでやってんだよ。


「オイ、俺たちがひきつけといてやるから、てめーは脱出ポットでも探して逃げろ」
「あんたらは!?」
「てめーは姉ちゃんを護ることだけ考えてろ。俺は俺の護りてェもん護る」
『右に同じ』


木刀を構えた銀ちゃんに私も自分の武器を構えようとしたがハッとする。あれ?私の鉄扇どこ言った?


『え、ちょ、タンマ鉄扇ない!』
「ちょっと架珠ちゃんどこやったの!?」
「何をゴチャゴチャぬかしとんじゃ、死ねェェ!!」
「『待ってストップタンマぁぁぁ!!』」
「架珠さん!!」


――――パシッ

お妙が投げてきた物を咄嗟に手に取る。それは見慣れた私の鉄扇だった。


『よっしゃァ!』
「よっしゃじゃねェだろビビっただろーがァ!」


銀ちゃんは木刀、私は鉄扇を振りかざしキノコ共に攻撃した。


「『はイイイイ次ィィィィ!!』」
「なっ…なんだコイツらァ!?」
「何!?でっ…でたらめだけど…強い!!」
「新一ぃぃぃぃ!!いけェェェ!!」
「新八だボケェェ!!」


似たようなものだからいいじゃん。

にしても、やってもやってもキリがない。いや、別に力的に劣ってるんじゃないよ?ただね、数がね、多いよね。


「架珠」


…やっぱ考える事は一緒か。



――――ダダダダ


「新ちゃん、いいのあの人たち…いくらなんでも多すぎよ敵が!なんであそこまで私たちのこと…」
「そんなのわかんないよ!!でもアイツらは戻ってくる!!だってアイツらの中にはある気がするんだ!父上が言ってたあの…「『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!』」!!」
「ホントに戻って来た!!」
「キツかったんだ!!思ったよりキツかったんだ!!」


迷うことなく戦線離脱。が、後ろにはたくさんのキノコたち。

だってホントにキツかったんだ!!


「ちょっと頼みますよ!数行しかもってないじゃないですか!」
「バカヤロー!!普通なら何ページにわけてやってもいいところをわざわざ一ページにおさめてやってんだぞ!」
『しかも広告がどうのとかで改行やスペース改めてんだよ!これは読者の皆様が快適に無料で楽しめるように配慮してんだ!!』
「言い訳に読者を使うんじゃねェェ!」
「いいから脱出ポット探せ!!」
『銀ちゃんそこは!?』


私が見つけた場所へと駆け込むと、そこには太い管やらでっかい機械やらがある部屋だった。どうやら動力室のようだ。


「いきどまりや、追いかけっこはしまいやで」


追いついたキノコが銃口を私らに向けてきた。


「哀れやの〜。昔は国を守護する剣だった侍が、今では娘っ子一人護ることもでけへん鈍や。おたくらに護れるもんなんてもうなんもないで。この国も…空もわしら天人のもんやさかい」
「国だ空だァ?んなもんてめーらにくれてやるよ。こちとら目の前のもん護るのに手一杯だ。それでさえ護りきれずによォ、今まで幾つ取り零してきたかしれねェ。俺にはもう何もねーがよ、せめて、目の前で落ちるものがあるなら拾ってやりてェのさ」
『以下同文ってことでよろしく』
「しみったれた武士道やの〜。もうお前らはエエわ…去ねや」


銃を構え直したキノコに私も構えようとしたが、チョンチョンと銀ちゃんに肩をつつかれた。


『なに?』
「いっからいっから」


はあ?銀ちゃんに引っ張られるがままこの部屋の中で最もデカい機械を登る私。すると、面白い事が聞こえてきた。なんでも、今私らが登っているこの機械は船の心臓で、コレを壊すと船がおっ死ぬとか。

…あ〜ね〜。


「って登っちゃってるよアイツら!!おいィィ!!」
「よいしょ、よいしょ」


にしても、よく私登れたな。我ながら凄いよ。


「ちょっ、待ちィィ!!アカンで、それ!!この船の心臓……」


知ったこっちゃないねそんなの。


「客の大事なもんは、俺の大事なもんでもある。そいつを護るためなら、俺はなんでもやるぜ!!」


――――ズゴン!!

直後私は鉄扇を、銀ちゃんは木刀を思いっ切り振り下ろした。


「きいやァァァァ!!ホンマにやりおったァァ!!」
「何この浮遊感」
『気持ち悪っ』
「「落ちてんのコレ!?落ちてんの!?」」


ギャアァァァァ!!







あ〜びしょ濡れ。船の飛行場所が海上でよかったよ。


「んだよォ!!江戸の風紀を乱す輩の逮捕に協力してやったんだぞ!!パトカー拝借したくらい水に流してくれてもいいだろが!!」
「拝借ってお前、パトカーも俺もボロボロじゃねーか!!ただの強盗だボケ!!」


パトカーの持ち主の役人のオッサンは目には青たん、頬にはシップ。レンタカーどころの話じゃない。


「元々ボロボロの顔じゃねーか!!かえって二枚目になったんじゃねーか!な、架珠!?」
『福山さん的な』
「マジで!?」


ンなわけねーだろ。


「架珠さん」
『?』


駆け寄ってきた新八が真剣な目で見てきた。

なんだ?


「僕も、万事屋で働きたいです!」
『……は?』
「よろしくお願いしますね!」
『え、ちょっ…』


それだけ言うと新八は今だ喧嘩中の銀ちゃん達を止めに入った。まあ最終的に決めるのは銀ちゃんだけど、多分アイツ入るな。

その予想は当たって、翌日から新八は万事屋のメンバーとなった。


next.

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