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あの場はクラウスに任せ、シルキーとレオはザップの操縦するランブレッタで移動中。チェインへザップは連絡を取る。
「ああ、俺だ……SS?…何だSSって……あーもーお前早く真っ二つにならねえかな」
また何か言われたんだろうな。
後ろで名前は察する。
「真っ二つ…そうだ!あの!!」
「あァ!?」
後方からレオが声を張る。
「あの猿割れてなかったんです!!」
「はあ!?」
「どーいうこと?」
「強盗犯はゲートが発現したとき縦に割れたでしょう!?あの猿は割れてませんでした!」
「じゃあ何処から半身の腕が出たって言うんだ」
「………もう一度…もっと近くで見てみないと」
「…やれる?」
確認を込めた名前の問いかけに、レオは顔を強張らせながらも頷いた。
「やる」
「…聞いたか雌犬。猿を視認出来る場所に何とか誘導してくれ」
通話を切り、ザップは前方に目当ての人物を見つけてランブレッタを停止させた。
「…よおザップに名前。世間が大変な事になってるな」
「………」
「「武器庫」のパトリックさんね」
「よろしくな、新入り」
黒ずくめの大男に気圧されていたレオへパトリックは気楽に挨拶。
「通常火器から払魔用護符展開キット、ドイツの最新鋭多脚戦車から部○分爆撃系人○工精霊まで、およそこいつに揃えられねえ物は何も無え」
「…強そうですね」
「バカ言うな。こんなに気の弱い男は他にいねえよ」
「はっはっは、その通り。俺が用意してお前らが使うんだ」
パトリックから受け取った武器をザップはレオへ投げ渡す。
「…な…!?…これ…!!」
「何だよ。お前用に決まってンだろうが」
重火器にたじろぐレオへザップは当たり前のように言う。
「思念誘導式40ミリハンドランチャー。至近距離でぶっ放せば大体当たる。威力こそ抑えてあるがあの猿粉砕するには十分よ」
「………!!!…粉砕!!!?」
耳を疑うレオ。
「4ツ目の強盗野郎を見たろ。ああいう風に生きたまんま召喚門の依り代にされる場合、大抵躰の中に術式が埋め込まれてるわけさ。その術式の繋がりを一発で破壊するには具体的に肉体を吹っ飛ばすしか無えんだよ」
「ええええええ」
レオの頭に音速猿の無残なスプラッタ映像が思い浮かぶ。モザイク処理が必要な映像にドン引き。
「いやちょっと…僕には…無理…」
「あぁ!?」
はいそうですかとザップが言うわけない。
「無理もゲリも無え!!やるorダイor…デスだ!!」
「後ろ2つは同じじゃねえのか?」
「うるせえッ」
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