ネオラート。 | ナノ
 cuatro -クアトゥロ-

-拒否.....だと?-

cuatro --

その考えを実行するべく、教室で理論文だろうか、本を読んでいた彼女に話しかける


「おい」


気付かない
それもそうか、赤司なら一発だろうが、俺はあそこまでの威圧感は無いからな
もう一度、呼びかける


「東井!」


もう一度呼びかけると、五月蠅そうに、読書用なのか眼鏡を外しながら嫌そうにこちらを見る
そして不機嫌に「何?」と、聞いてくる
愛想のないやつなのだよ

まぁ俺も人のこと言えるほどではないが

高尾がなんでこんなやつに一目ぼれしたかわからないのだよ


「お前、バスケ部のマネージャーにならないか?」


まどろっこしい事は嫌いで、俺は単刀直入に要件を言わせてもらった
すると、彼女は何故か、目に殺意を一瞬光らせて、それからちょっと、悲しそうな光を宿した
本質は悲しみ、その中の悲しみが不思議に見せた


「断らせていただこう、私はバスケが嫌いなんだ、すまないな」


そう、立ち上がり、どこかに去ろうとする東井をひきとめた
すると、鋭い形相で睨んできて「じゃぁな」と今度は本当に出て行ってしまった

なんだったのだろう

あの、酷い感覚は

あの視線は、憎しみと恐怖だった

その事は、高尾は気付いているのだろうか

気付いているだろうな、あいつの事だから

ますます気になるようになってしまった

なんなんだ?

2012.11.16.22:50.曖霧






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