◎ cuatro -クアトゥロ-
-拒否.....だと?-
cuatro -クアトゥロ-その考えを実行するべく、教室で理論文だろうか、本を読んでいた彼女に話しかける
「おい」
気付かない
それもそうか、赤司なら一発だろうが、俺はあそこまでの威圧感は無いからな
もう一度、呼びかける
「東井!」
もう一度呼びかけると、五月蠅そうに、読書用なのか眼鏡を外しながら嫌そうにこちらを見る
そして不機嫌に「何?」と、聞いてくる
愛想のないやつなのだよ
まぁ俺も人のこと言えるほどではないが
高尾がなんでこんなやつに一目ぼれしたかわからないのだよ
「お前、バスケ部のマネージャーにならないか?」
まどろっこしい事は嫌いで、俺は単刀直入に要件を言わせてもらった
すると、彼女は何故か、目に殺意を一瞬光らせて、それからちょっと、悲しそうな光を宿した
本質は悲しみ、その中の悲しみが不思議に見せた
「断らせていただこう、私はバスケが嫌いなんだ、すまないな」
そう、立ち上がり、どこかに去ろうとする東井をひきとめた
すると、鋭い形相で睨んできて「じゃぁな」と今度は本当に出て行ってしまった
なんだったのだろう
あの、酷い感覚は
あの視線は、憎しみと恐怖だった
その事は、高尾は気付いているのだろうか
気付いているだろうな、あいつの事だから
ますます気になるようになってしまった
なんなんだ?
2012.11.16.22:50.曖霧