Stage 7
穴の理由は君でした。


「ふざけんなよバカッ......」


Stage 7


私は久しく屋上にいた
ここにいたら、何かわかる気がして


ギィ.....


扉の開く音がした


「........!花宮」


そこには、不機嫌、というよりどこか悲しそうな彼がいた
私を見た途端、目をそらす

痛い

そんな思い、不安が積もる


「花宮.....」
「.......チッ」


舌打ちする彼、だけど、この前の体育館の時よりもいくらか落ち着いていて、穏やかだ


「....なんか...久しい」
「そーか?」


となりに座った彼は、まだ怒ってるんだぞーとばかりに声を低める


「最近....お前こねぇな」


そう言われて、私はちょっと暗くなる
来なくてもいい、そう言われるんじゃないかって
最初は無理やりだったのに、今になってはもう、楽しくなっている
ないと、つまんないくらいに

自分でもよくわかっていないのだ、花宮だけに感じる、この感情の意味を


「行かないと.....困る?」


私は甘い返事を期待している、だからそう尋ねる
「いいや?」
だから、そう言われて、ちょっと悲しくなった
私は不器用だから、それすらも言えない
笑われるか、呆れられるだろうから


「でも....つまんない」


........花宮はそう顔を赤らめて言って、それに気付いたのか
「な、なわけねぇだろバァカ!!」と走って行ってしまった

私の顔にも、赤が移ってしまった


「..........気付いちゃった」


この穴は、一人ではどうしようもないのかもしれない


Stage 7 End 2012.10.9.曖霧


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