Stage 1
「いえいえ気になさらず」


今日も猫は狐の面を被る


Stage 1


今日も猫はお面を被る
見知らぬ少女に対して紳士の面を被る
面に気付かず少女は頬を赤く染め走り去る、私はその光景に一種の滑稽感を覚えた

あぁ、こうやって猫に化かされるとっても可愛そうな子達が増えていくんだって
口元が考えただけでニヤついてきた


「.....他人の不幸は蜜の味」


私の座右の銘......だと思っている言葉
幸せそうな少女がとても可愛く、可愛そうに見えた


「のぞき見なんて、悪趣味ですね」


仮面のまま、猫は私に気付きよってくる
気付かれるとは思ってなくて、私は少々目を見開く


「.........いつから?」
「最初から」


.........気付かれた事なんてなくて、とても驚いた


「気付かないとでも思いました?」


私は何かヤバイ匂いを感じて走り出した
彼の目が闇を映した気がして、悪寒が走った


「.......チッ、逃げやがった」


後ろで彼が舌うちしたのを聞きながら


「.......なんなのよ」


走りついた先は体育館、彼.....花宮に誘導された様に行く先に彼がいて、どこまでも走ると、いつのまにかここについていた。


「貴方は、バカなんですか?」


入ると、体育館のステージの上に足を組みながら坐っていた
楽しそうに、何かを見定めるように
私がうろたえるとフハッと意地の悪い笑みを浮かべて壇上からストンと降りた
身構えると、フハッとまた特有の笑みをもらした


「バカだからここまで追い詰められるんでしょうね......
バァカ」


猫が狐の面をぬいだ


Stage 1 End

2012.9.20.18:45.曖霧

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