три
笠松君は働き者ですね


три --


とりあえず私は、布とか材料を買い出しに行く事になった
森山君と笠松君が買い物に荷物持ちとして付き合ってくれる事になった

ただ


「笠松君は良いとして....」


森山君がナンパし始めそうになった事、8回
何故こうなった
そのたびに笠松君が引っ張り戻してくれるので、ちゃんと進んでいる


「なんか....すまん」


少しづつ喋る様になってきた笠松君は、そうすまなそうに謝った


「いえいえ」


本当、大丈夫なのか?

って思うほどだったんだけど
何回か、気付かぬふりで置いて行きそうだったんだ、森山君の事、私
なんか...ごめん
私が謝りたい

って


「言えるわけないですよね......」


頭の上に?マークを出し、どうした?って気遣ってきてくれる彼
ちょっとづつだけど、頼れるようになってきているのが嬉しい


「なんでもないよ、笠松君」


片目で森山君を見ると、やっぱり周りをキョロキョロとしている
駄目かもしれない

そう、頭を抱えると、一人、誰かにぶつかってしまった


「あ、すみません」


私が頭を下げると「イイっスよ!」とにこやかに手を振る.....あれ、みた事ある様な


「黄瀬!」

私が思いだそうとしていると、笠松君がアンサーを出してくれた
そうだ、黄瀬、黄瀬涼太だ


「あ!珍しいッスね、こんな町中で会うなんて」


と、ワンワンしっぽの見えそうな勢いで笠松君に駆け寄る


「あの、こちらは?」


彼は私が気になる様で、私と笠松君を交互に見て、森山君に尋ねた
クラスメイトだ、と軽く言う森山君


「クラスメイトッスか〜!笠松先輩のクラスに可愛い子いたんスね」


社交辞令だよね?
私はその言葉にめんどくさくも少し照れてしまいそうになった
そんな私の様子も気にせずに、じゃぁまた後で!と彼は去って行った


「元気の良い後輩ですね」

「あぁ、かなり元気だぞあいつは」


遠ざかる彼を見ながら、そう呟いた


「2人とも!買い物に戻るぞ」


後ろから森山君の声が聞こえた


три END 2013.02.15.22:15.曖霧








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