▼黄瀬君が現れた
десять-ジェーシャチ-「先輩!」
とっても嬉しそうにワンワン私に近づいてくる
俺、俺ね!って
「笠松先輩とお付き合いすることになったンス!」
.....え?
「ね、先輩!」
英語を勉強中の笠松先輩は、楽しそうにくっつく黄瀬君をほおっておいた
「あぁ」とだけ返事をして
「つれないっすねー!」
なおも黄瀬君は楽しそうで
「もちろん祝ってくれるッスよね!せーんぱい?」
私に笑顔をむける
キラキラとした、まぶしい笑顔
それにくらべて私は今一体どんな表情をしているのだろうか
考えたくないなぁ
私はそこになんだか居づらくなって「ちょっと購買行ってきます」と教室を出た
フラフラと歩いていると、森山君が歩いていた
私を視界に入れると、何故か焦って早歩きで近づいてきた
「ねえ、咸槻ちゃん」
私の顔を覗き込む
「なんでさ......
なんで君、泣いてるの?」
困ったな
そう眉をひそめる
それからちょっと考えるそぶりをして「とりあえずここ、人目につくからさ、部室いこっか」と私の手を優しく握った
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「どーしたの?」
そう私にハンカチを渡す
泣いてもいいよ
そう私は言われている気がして
静かに声を漏らした
десятьEND 2014.02.03.14:50.曖霧