ねぇ、神様お願い(ミナト ver. 廊下を走るなか皆が俺を見て驚いていた。俺が廊下を走らない優等生とでも思っていたんだろう。全く、俺を過大評価し過ぎる。 「ハァ、ハァ、」 階段を二段飛ばしで駆け登る。一年生の教室が並ぶのは三階あと一階!! ドンッ 「うわっ!」 「きゃ、」 勢いあまってぶつかってしまった。やっぱり廊下や階段は走らない方がいいらしい。 「わわ!!ごめんっ、怪我ない?」 尻餅を着いたのは俺の方でぶっちゃけかなり恥ずかしい。足元に見えた上履きには"うずまき"と記入されている。……うずまき!? 「私は大丈夫、貴方こそ大丈夫?……それに階段でふざけたら危ないってばね!」 …ってばね? 俺を叱る友達なんて初めてだ。いつも誉められたり羨ましがられたりしかしない友達と違う。 ゆっくりと俺を叱るうずまきを見上げる。 「、おんな?」 「っ!何か言ったってばね?」 「え!い、いや!!」 何コレ!めちゃめちゃ綺麗なのにめちゃめちゃ恐い。彼女の綺麗な髪は彼女の怒りに従ってゆらゆらと揺れている。 「……はい」 「え、」 遠慮がちに差し出してくれたハンカチ。これは、俺が使って良いのかな? 「……血、出てるから止めた方がいいってばね、」 あわあわと俺の頭へハンカチを押さえつけてくるうずまきさん。っいて!ちょっと力強い!! 「ごめんってばね!」 「いや…ありがとう、助かったよ」 そしたら驚いたようにして笑ったうずまきさん。 「っ、//」 「どうしたの?……やっぱり怪我酷い?」 「大丈夫!、大丈夫だから」 君は覚えてるないかも知れないけど、俺は君のお陰で新しい世界を見た気がするんだ。 目を閉じれば思い出すあの時の優しい笑顔を… (20101231) [前へ] | [次へ] |