▼ 3

そう思っていたらカメラマンさんから声がかかった

「は〜い。蒼ちゃん徹ちゃん、あと3分後撮影するわよ〜ん。最初はベッドの上で徹ちゃんが蒼ちゃんを押し倒してるシーンいくわよぉ〜今のうちにポージング話しといねえ〜」

まるで語尾にハートがつきそうな口調の彼女
かおるちゃんだ。…男だけど。

僕がどうしようかと戸惑ってると

「さっさとして」

いきなりベッドに押し倒された

「え、ちょっ」

「………いつものウザいくらいの威勢の良さどこにいったの?体調不良だから?まぁ、いい。お前が静かだとやりやすい」

どうしよう
いつもの蒼なら「あ?てめぇふざけんな」
とか言っちゃうんだろうけど
僕そんなこと言えないし

「なんか今日おかしくね?」

そういわれて目をじっと見つめられる
やばい、どうしよう、このままだと絶対撮影とかうまく行かないよ。
はぁ………泣きそう。

どうすることもできなくて
徹くんをじっと見つめ返した
視界が少しぼやけてるのは
涙のせいだろう


「…………………………翠?」

そんな彼の言葉に驚いた

「ぇ、………なんでわかったの」

僕の返答を聞いた瞬間少し徹くんの表情が緩んだ気がした。


「やっぱり?…蒼っぽくないし、そもそも俺を見つめてこないよ、あいつ」

蒼だったら見つめ返されたら、俺吐くし。っと後に紡いだ。

「…ぼく今日は蒼の代わりで。それで…」

「撮影しに来たって?」

「うん。でもポージングとか全然わかんないし、僕何をどうしたらいいのかさっぱりで」

リード頼んでいいかな?って尋ねたら
徹くんの息を呑む音が聞こえた

「……もちろん。撮影の相手が翠で嬉しいよ」

prev / next

[ back to top ]

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -