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「……すれば、きす」

そんな俺の言葉を聞いて
ふ、と微笑んだかと思うと
片手が俺の髪に触れる
うなじをいじられる
偲の癖だ。
キスの前にうなじを触るの。

頭を固定されて唇に弾力を感じた

「ん……あ、っ」

いくらカウンターの隅だからといって
見えないはずがない。

多分、さっきの野郎共もみてるんじゃないだろうか

「ねえ、集中して、花崗」

「んんっ…」

偲の香水の匂いが鼻を掠める
懐かしい。

好きな匂いだ


長いようで短かったキスが終わる頃には
俺の頭は蕩けてた

唇が離れる瞬間、銀の糸が引いた

「顔えろいよ」

そうさせたのはお前だろ

「そんな顔あいつ等にみせたら即、犯されるね」

「…責任とって守れよ」

「もちろん。」
 
頭を撫でられると
んじゃ、行くか。と言われた


お会計を済ませてる偲を横目で見ながら
そういえばさっきの野郎共どうしただろうと
思ってそちらに目を向けると欲を孕んだ瞳と目があった。

きもいな。

お会計が終わったらしい偲に腕を引かれてバーをでた。

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