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今付き合ってる彼氏と喧嘩になり
別れることになった今日。
聞き慣れた声が俺の名前を呼んだので振り返ってみた。


「お、花崗(みかげ)じゃん。」

「…偲(しのぶ)」

目の前には親友がいた。

よりによって今日かよ
最悪だ。  

「どーした、こんなところで」


ふ、と訊ねながら自然な仕草でカウンターの隅に座っている俺の隣に腰掛けた。

そりゃそうだよな。
俺がいるのは所謂バーだ。
普通のバーとは違いゲイバーだけど

「別に。飲みに来ただけ」

嘘だ。
本当は別れてやけになって
今日限りで抱いてくれる奴を探してた

無性に人肌が恋しくなったから 

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