憂鬱めりーごーらんど | ナノ




SIDE▼碧野 司 



俺の横で寝てるこいつは
無防備にスヤスヤ寝ている 
綺麗な顔は寝ているせいか
あどけない可愛さを醸し出していた




「………ん」

身じろいで少ししたら俺に抱きついてきた

「ふっ……」

笑った。
まじで、抱きつきグセ治ってない
臨の髪を撫で、指先で弄ってみる

臨がいると落ち着く
この感覚は小学校から変わりない

5年もの空白があったとしても
体は忘れていないらしいこの感覚

俺は案外自分の感情を出さないから
臨は分からないだろう


「………ほっせぇ」

臨の腕に触れると細すぎて折れそうだ。女みてぇ


そんな事を考えてると
臨の脚が俺の脚の間に入ってきた
脚が絡まる


「……お前危険」


はっきりいって、コイツは自分で平凡とかほざいてるけど、実際美人だ

自覚してないのが達が悪い

こいつの仕草や反応はどことなく男心をくすぐるものがある
今までこいつに魅入られた男も少なくない筈だ


腐男子な臨が男同士の関係を分かってそうで一番分かってない

BL小説の様な男同士の恋愛はそんな甘くない
純愛なんて希少だ。
どろどろしてて、私欲に溺れてるのが殆ど

俺もその1人かもな



臨の腰に手を回してみた
これもまた、細かった
自分の中の何かを抑えた


あぁ、やっぱ臨だ。
そう思った。



なぁ、なんで俺がBL小説書いてると思う
多分、分からないだろ




あぁ、もういい。
なんも考えねぇ、寝る。


臨を抱きしめて俺も眠りについた。
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