▼ ゆめにおぼれて2

俺は力足らずの手で
無理やり志乃の肩を押した


口の端から
つー、と俺らの混ざった唾液が垂れた

それを見て。
ふ、と笑い
見せつけるように
赤い舌を出して口の端を舐め上げた。


「ねぇ、すきって言ってよ」

其れを俺は黙って流す。

「せっくすの時すら言ってくれないなんてさ」

悠乃ひどいよね。と
頬を撫でながら言われ

「俺はこんなに好きなのにさ」

「…っ………ぁッ」

そう言って
生の太腿に触れてきた

まぁ、元々
俺等はさっき起きた時から
下着しか身につけてない
理由は簡単
昨日、ヤったから。


「………えッ、ゆ、の…ぁ」

仕返しとばかりに
俺に覆いかぶさってる
志乃の腰に腕を回してぐっと力を入れ
脚を腰に巻きつけるようにして引き寄せた
昨日のせいか、
まだ赤みを帯びている乳首に噛み付いた

流石に本人も今、このタイミングで
攻められるとは思っていなかっただろう


「ひぁッ、だめ……んッ、ぁ」


「やっぱ昨日の今日で、感度いいな」

ぺろっと舐めながら言うと

力づくでも引き離された

「…………っと。……なんだよ」

「っ…ハァ………なんだよ、じゃないよ」

息が軽く上がってるのがわかる


「別に減るもんじゃないんだからいいじゃん」

「そうだけど…昨日は俺が下だったから」

今日は悠乃が下ね。

頬に唇を寄せられ
耳元で囁かれた

「……っ、まだやんのか」

ただの朝のじゃれ合いかと思ってた
まあ、まだ20代だし出来ないことはないけど
……疲れる。


「だって俺、悠乃で気持ち良くなりたいし」

「昨日だって気持ちよくなっただろ、ばか」

「えー、そうだけどさ…悠乃を俺のであんあん鳴かせて、気持ちよすぎて泣きながら俺に縋り付く姿みたいんだよね」

「………………しね」

「あわよくば、びくびく震えながらお強請りされたい」

「しね」



俺らはまたに言うリバーシブルだ。

せっくすなんてその日の気分。


「…まぁ、いいか」

「ふふ、さすが。」

「でも、気分じゃない」

「えー。そんなこと言わないでよ」


「じゃあその気になるように誘ってみろよ、下手くそ」


実際は全然下手くそなんかじゃない
逆に上手すぎるくらいだ。
俺の記憶上、気持良すぎて泣いたのは
確か、志乃ぐらいしかいない。
でもなんかこの儘、ヤられるのは癪だから
つい、口から出てしまった。

本人も、下手くそ、と言われたのに
相当かちん、ときただろう。
なんせ、志乃は自他共に認める
快楽主義者。つまりヤリチンだ。
誘われさえすれば誰とでも寝る
そんな奴が下手なわけがない



悪いお口。
そう紡いで首筋に唇を這わせて
いつものように紅い華を落とされた。


「…ぐちゃぐちゃに酷く犯してあげる」


あ。スイッチはいった。
そう思いながら、
俺は志乃の首に手を回した

「ヤってみろよ」

また喧嘩腰になってしまった。

「俺以外には感じない位、悠乃の深い所まで満たしてあげる」

べろっと女でいうと谷間があるであろう
場所を舐め上げ欲情した目で見つめられた。

「ああ、俺を依存させてみろ」





好き、愛してる、
なんて上っ面な言葉いらない
欲しいのは
心の空虚感を埋めてくれる
生涯離れていかない確信のあるもの。

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