▼ ゆめにおぼれて1

朝日が上り始めた頃。



ふ、と目を覚ますと
隣には、双子の弟。

志乃(しの)がいた。

一卵性の顔の造りや背丈は殆ど一緒だけど
体格、髪型、性格、は全然違うこの人物

体格なんてちょっと志乃の方が筋肉があるだけだ。
たぶん…ちょっと。


「志乃…」

重い。
志乃の腕が背中に回ってて
身動きが取れないのだ

肩を軽く揺さぶって見たけど
全然起きる気配を見せない

「はぁ………」

なんか

もういいや。


諦めかけた瞬間だった。

「………うぇっ」

勢い良く志乃に
抱き寄せられた


「ん………悠乃」

悠乃(ゆの)

と云うのは俺の名前だ。

「なに」

志乃は、んー。と身動いだ

眠たそうな目と目が合う

ふにゃ、と笑って
触れるだけのキスをされた。


「悠乃…すき、だいすき。あいしてる。」

「…ああ。知ってる。」

そう言うと、志乃は俺に馬乗りになって
激しいキスの雨を降らせてきた


「ん、……ふ……ぁッん」

其れを俺は受け入れる

キスをしている最中
薄目で志乃を見ると
目があった。

舌を絡めとられる
歯茎をなぞる様に掻き乱される


志乃は柔らかい口調の割には
こういう時だけ暴力的だ。


このギャップ嫌いではない


「し、のッ………も…ぁん」


もうやめて。と十分に言えない。
二人の息が荒い。

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