メルコニーの街


(攻めが二人)


とあるホテルの一室に三人の男がいる

一人はベッドに腰を掛け一人はその男の膝の上に頭を乗せ、どうやら眠っているようだ。
そしてもう一人、ベッドのすぐ近くにある窓ガラスに背中を預け手にはウイスキーが入ったコップをもっている。カランカランと音を立ててコップの中の氷を遊ばせている。
 

ベッドに腰掛けている男が眠っている男の髪を指でいじり、撫で、首筋に指を滑らす。擽ったいのか眉を顰め少し身じろぐ。

「ン 」

「ククッ 可愛いでしょ、俺の上司」

「……」


眠っているのはリドア
34になる。だが顔には幼さを残している。
そんなリドアだが彼は世間で云う公の仕事をしていない。どちらかというと反社会的な人物、社会不適合者だ。

「全くさ 可笑しいよね。敵の幹部を気に入るとか」

「…そんなこと僕には一切関係ないね。 欲しいんだ、だから手に入れる。 欲することは人の最も大切な感情だと僕は思うけどね」

「…相変わらずな奴」

リドアを上司という男
彼はアンリ。上司に忠実で性格は少し癖がある


「ねえ、不思議だとは思わない? リドアは気付いていないんだ、毎週金曜日の出来事に。 あんなに僕等を欲していたのに、次の日になると綺麗さっぱり…僕の存在すら頭の中に残っていない。」

「それはメルヴィンが」

「おっと僕のせい?やめてよ、同罪だろ?」

「……」

「こういう形でしか彼を愛せないんだよ僕等は」

太腿で寝ているリドアを再びメルヴィンが頭を撫でる。いやそれ以外も。

「…ぅン 」

今度は本当に擽ったかったのか
擽ったい原因 メルヴィンの手を無意識に掴み、自分の顔の方へ持っていく。

手に頬を擦り付けたり、時々甘噛みしたり

「ん、 可愛いね」

「…」

「アンリもこっちにきなよ」

ウイスキーが入ったコップをテーブルの上に置き、メルヴィンとは反対の方、リドアを挟んで座った


「リドアは可哀想だ」

「なんで君はそう思うんだい?」

「気付かないうちに俺等に毒されている、しかも最も美しい毒され方で」

「…なんだ、本当に心から可哀想とは思っていないじゃないか」


二人の間に沈黙が広がる



「僕等は同罪だ。誰にもバレてはいけないし、もちろん口外してはいけない」



どうやらこの三人には秘密事が沢山ありそうだ。
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