×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -




4話(理想郷:1)

「あーあぁ…」
『先生、ダメですよ』
「しゃきしゃきせんか!」
「あだ!」

だらけていた先生は以蔵さんに背中をばしこーん!と叩かれた
ザマァ

今回の依頼は「夢に現れる男をどうにかしてほしい」
聞いた瞬間は「精神科案件では?」と思ったが内容を聞いて「うち案件かも?」と思った
内容としては
最近小〜高校生に広がっている「夢を見るおまじない」がヤバいらしい
ある手順を踏んで眠りにつくと「理想郷(アヴァロン)」と呼ばれる場所に行くことができて、そこで話をしてくれる男性に会えるのだと言う
それはなかなかのイケメンだとか
それで試した子が成功したので他の子も試しているのだと
しかしそこから先がある
何回か会ううちに「夢の中に居ればいい」と言われる
そして目が覚めなくなるのだ

「今確認できる中で犠牲者は5人。全員眠ったまま心停止して亡くなっている」
「それで今も犠牲者が出そうだと」
『ひぇえ…』

今は小学生でもネットを使いこなす時代
そんな情報は電子の海を漂い拡散されている以上、大本を断たないといけないのだ

『意外と方法が簡単ですね』
「だから怖いんだよ…」
「簡単やきこそ、皆やりおる」

方法はぼかすが簡単に言うと
ネットにある魔方陣?をダウンロード&印刷→ネットにある呪文を詠唱→魔方陣の描かれた紙を枕の下に入れて眠る
これで完了
夢の中で目が覚めると「理想郷」に着いているらしい

『これ、やるんですか?』
「今はやらないよ。原因を見付けて対処法が見付かったらやってみる」
『はーい』

まずは情報が必要
ネットに流れるということは「一番最初に誰かが方法を作って流した」のだ
しかも呪いとして成立している以上、作った人間は死んでいる可能性が高い
そんな危ないものに準備無しで踏み込んではいけない

「まずはそのネットにあるページを探そうか」
『了解!(*`・ω・)ゞ』

流石ネット
ページはすぐに見つかった
類似したものがありそうだと思ったが検索結果はひとつだけだった

「これか」
『噂を聞いていたらすぐに見付けられるね』
「ああ。だから悪質なんだ」

噂を聞けば探せるページ
しかし噂を聞かない、信じなければ見付からない
だから大人は知らない、対処もできないのだ
ぽつりと口から出ていた

『子どものための噂みたいだ…』

幽霊を見て怯える僕を気味悪がる母親
僕を怒る父親
そんな姿を見て笑う弟
眠れなくて、誰かに助けて欲しくて
海へ向かったのだ

「そうか、救済…」

先生が立ち上がるとパソコンで何か打ち始めた

[ 6/33 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]