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3話(庭の人:終)

結局
あの家の庭には成人男性の遺体と赤子の遺体が埋まっていた
鑑定の結果
遺体の男性と赤子は前に住んでいた夫婦の行方不明になっていた旦那さんと子どもだった
近所に住む人が「奥さんのお腹が大きくなってぺたんこになったけど赤ちゃんを見たことない」と言っていた
だから犯人は奥さんだろうという話だ


「今回はありがとうございました」
『お引っ越しなさるんですね』
「はい」
『災難でしたね』

以蔵さんに依頼人夫婦へお茶を出してもらった

『解決…はしましたが結果がこんなことになってしまってすいませんでした』
「いいえ。ありがとうございました」

お見送りしてドアを閉め

『あぁあ〜…申し訳ない〜…』
「おまんが気にする事やない」
『でも…』
「ええ」

頭をぽんぽんされた
優しいなぁ〜…

「たっだいまぁー!あれ?僕邪魔だった?」
『あ、先生お帰りなさい』
「タイミングの悪いやつじゃ」
「お土産買ってきたけど…いらないかな?」
『いる!』

手を伸ばすと人気のチーズケーキ

『大阪に行ってきたんですか?』
「うん。…会えた頃にはもう骨だったけどね」
『そうでしたか…』

師匠と僕は目の能力の相性が最悪に悪い
この世ならざるものすら「破壊」する師匠
この世ならざるものすら「縁」を結ぶ僕
お互いに能力を発動した状態で目を合わせようものなら反発しあってお互いの目を潰してしまう
だから僕と相性のいい人を探して能力のコントロール方法を教えてもらうために先生は時々旅をしているが、やはり難しい
見付けた頃には亡くなっている方が多い
理解者に出会えず、命を絶つ方が

「また次を探すよ」
『これだけはご縁ですしね』
「まあお疲れさん」
「以蔵さんは優しいねー…」

アイスコーヒーを淹れてもらい、さあおやつにしようかと並べているとチャイムが鳴った

『…』
「…」
『先生』
「僕帰ってきたばっかりだから」
『ちぇー』

事務所のドアを開ける

「ここは一条探偵事務所で合っていますか?」
『はい、何かご用件でしょうか?』
「依頼をしに来ました」
『では中にどうぞ』

お客様なので無下にはできない
チーズケーキ大好きと言うのでお茶請けに出した

「あれ?棗さん帰ってきてるんですね」
「やっほ」
『お知り合いですか?』
「迷惑な依頼ばっか持ってくる人」
「迷惑って失礼な…まあそうですけど」

持ってきた鞄から封筒を取り出した

「厄介な依頼ですよー」
「うげぇ〜…」
『?』
「回避不可です」
「うげぇええ!」
『???』

どうやら拒否できない依頼のようです

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