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17話(壊れた神様:3)

「おまんっ!」
「後で繋ぎ直す!」
『…ねぇ、僕を捨てるの?』

小刀を構えた由行が問うた

『先生も、以蔵さんも、僕を捨てるんだ』

靄が集まる

『嘘つき、裏切り者、大っ嫌い、お前らなんて、お前らなんてぇえええええ!!!!』

由行の魔眼が輝いた



『人間よ、我を捨てた愚か者達よ。我はこの時を持ってお前達に復讐する」

右は「縁」の魔眼のままだったが左が紅色に変化していた

「お前、滅茶苦茶な合体してるだろ」
『何だ、分かったか」
「ガワは由行のままだし中身も由行だけどお前が支配権を握ってる状態、だな」
『ふふっ」

右目から血涙が流れる

『じき『ひとつ』になる。そうすれば皆殺しだ」

蒼い魔眼を紅が侵食し始めている
進行が早い

「…じゃあ」

魔眼を解放する

「その子ごとお前を『破壊』してやる」

本殿にひびが入る
由行の足が砕けた
それでも笑っている

『お前に出来るのか?『ねえ、先生』
「出来るさ」

由行の口から血が溢れた
それでも笑っている

『流石だ」
「その名で呼ぶ奴はぶち殺す」
『本気か」
「本気。お前ごと殺す」

にこっと笑った

「なあ、『以蔵』」
「お初にお目にかかります」

由行の背後には以蔵が立っていた
その手には本殿に祭られていた鏡が

「じゃあ、死ね」

鏡を手放すと由行が拾おうと走り出したが足が砕かれていて動けない
体から靄が抜け出し鏡に手を伸ばした

『っ先生!!』
「応!!」

由行が目を閉じて体を丸めた
以蔵が飛び退く
同時に本殿ごと鏡が砕け散った

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