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12話(寝不足少年と自撮り少女と時々祖父:後編)

「ねえカドック、日本では『寝耳に水』と言うそうね。試してみてもいいかしら」
「いや駄目だろ…」
「こんなに動かないなんて不思議ね」
「気絶しているんじゃないか?」
「人形みたい」
「すんません、遅くなりました」

由行は木陰のベンチに寝かされていたがそれをのぞき込む美女がいた

「あら、ようやくお迎えが来たのね」
「助かった…」

美女がこちらに向いた

「そんじゃ、デートの邪魔になるんで失礼しますね」
「ちょっ////」
「カドックを連れてきてくれてありがとう」

寝ている由行を抱きかかえるとその場を去る
これはよく由行が言っている「りあじゅうはぜろ」だが馬に蹴られたくないので即帰宅である



勘違いしがちだが由行の魔眼は眼鏡では封印できない
「見る」のを抑えているだけであって魔眼は常に発動してしまうのだ
魔眼の発動、使用には魔力、体力をとても使う
だから普段は魔眼が発動しないレベルにまで魔力を吸収し体力が尽き始めたら返還するという方法を取っていた
だが今日は魔眼解放と以蔵から離れたことで返還が行われず常に大量消費で電池切れしたらしい
最低限の生命活動はしているがそれ以上はできない


ここは一条心霊探偵事務所
ソファーでは以蔵が由行に膝枕をしている
窓から「怒りの日」を連弾しているのが聴こえた


カドック
大学生でアナスタシアとは友人(ほぼ恋人みたいなものだが)
人嫌いなアナスタシアが落とした人形(ヴィイ)を拾ったら勝手に動き出したため気になって話し掛けた
事が始まり
アナスタシアの親代わりの祖父、イヴァンが怖い

アナスタシア
大学生でカドックとは友人(ほぼ恋人みたいなものだが)
飲酒運転の車にぶつかられ事故で家族を失い人嫌いに
形見になってしまった精霊の形代である人形(ヴィイ)を落としてしまい拾ったカドックに話し掛けられた事が始まり
アナスタシアの親代わりの祖父、イヴァンはちょっと怖い

イヴァン
アナスタシアの祖父で大学の理事長
孫娘のアナスタシアを可愛がりたいが怖がられている
カドックのことは今回の件で認めた
一条の事務所に行くと何故か毎回窓の外から「怒りの日」の連弾が聴こえる
何故だ

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